痕付け
みなみくん
第1話痕付け
少し寒くなった頃
繋いだ手を思い返して
泣き崩れた
独りぼっちじゃなくなった気がした
見せれない手首を隠してくれて
繋いでくれた左手
ほんの少しの間
救われた気がした
其の出会いは偶然で必然
其の別れも偶然で必然
見失うことなんてもう無い
何処にも居ないのだから
深夜2時
立ち竦む新宿南口
あの日、東口の喧騒の中僕らは居た
溢れる人の中に、周りと同じように
僅かな距離
もう今は遠く、遠く、叶わない
何も無い左手に見える
あなたが残した痕
救いと痛み
掲げた腕は何も掴むことが出来ずにいる
記憶の中の左手だけが暖かった
痕付け みなみくん @minamikun
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます