管理人の部屋
「はい お疲れさまです。ちょっと手違いが……。エラー多すぎましたね」
反響音が激しい何もない白い部屋に天音はいた。
そこで響き渡る男の声。
「…………誰?」
棒立ちのまま一言質問をし、思い出す。
「あ、管理人さん」
「そうです。管理人です。」
「あ!こーちゃんは?」
「生きてますよ。今頃付添人なしでやり直し人生継続してます」
「私を心配してませんかっあ、私死んだ?死んだなら、悲しみが……」
「それは心配ありません」
「え?」
「付添人が去ったあとは、付添人を忘れます。記憶に残りません」
「あぁ そうですか。な なんか寂しいですね。それはそれで……」
「あ、心配いりませんよ」
「はい?」
「もう一度、あなたを送りますから。そう指示がありました。で、改善を希望する点はありましたか」
改善点どころか、不手際だらけである。性別と内面の不一致に、高すぎるルックスに。
「えっと、男か女か体とマッチさせてください。それから可愛すぎました。」
「はあ。性別は分かりました。で、容姿ですがあなた自身前世、整った顔をしていたのではないでしょうか。それはなかなか変えられるかどうか。……やってみます。」
「あの!私、自分の前世覚えてないんですけど」
「え?!!」
「え?!!」
「あ、そうでしたか。上書き……」
「はい?」
「いえ、とりあえずデータ探しておきます」
「あ はい お願いします……」
なんとも事務的かつ頼りない管理人である。
ただこの課題をクリアしないことには、天音自身もやり直しが出来ない。
今、天音は幸太郎が心配なだけかもしれないが、もう一度付添人を務めることには生き甲斐のようなものを感じている。
「はいっじゃ行きますよ。目を閉じて〜」
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