異世界転生に主人公が気づいてくれないんですけど!?
大上狼
プロローグ
少し古い本屋にたたずむ1人の少女。少し幼い整った顔立ち、白い肌と髪に少しフリルのついた真っ白でシンプルなワンピース。
その少し透き通った少女に気づくものは居ない。
そしてその少女が見つめていたのは_
ライトノベル、略してラノベだ。
『ゲームオタクニートの俺は、ある日倒れて死んでしまった…。そして目覚めた時には…不思議な実がなった木…スライム…ゴブリン…_俺は、異世界転生してしまったらしい…!?さらにそれは俺が良くやっていたファンタジーゲームによく似ていて…!!??』
「…ほう、王道だな。」
本屋でラノベのあらすじを見ながら呟く。
とてもよくあるストーリーだ。ゲーム廃の人がゲームの中に転生する。
まあ、自分はそういう王道こそ好きなんだが。
「よし、これを持っていくか。」
ラノベから何かを引き抜くようにスーッと手を動かし、ポンっとそのラノベをコピーが現れる。
コピーしたラノベはすこし透けている。つまり本物では無いということだ。
まるで魔法だ。
そして、透けていない本来の方を本棚に戻し、天井を通り抜けて空に飛んでいく。
雲の上へと来て、早速先程のラノベを読み始める。
私は 神様。
そんな訳無いって、そう思う?
まあ信じてくれなくても良いよ。
あなた達の世界では神というのは遠い存在だから。もちろん近い存在の世界もあるけど。
特に私は様々な世界の全てを
だから私は、異世界転生をこの目で実際に見てみたい!!!
でも、私は知っているのです。
勝手に異世界転生が起こることは無い、という事を。
自然現象のように異世界転生は起こらないのです。世界と世界を繋ぎかねない行為は基本駄目ととされているし。
いやぁ、異世界転生なんてものを考えついたあなた達の世界の作家というものは何とも凄いと思う。ある意味神。(神様の私が言うのもなんですが)
で・す・が
皆さんお忘れですか?私はこの全ての世界を統べる神様です。つまりなんでも出来る。
基本この世界を変えたり、というのは先程も言った通り駄目、とされています。
(ほんとになんでも出来るから、世界が歪んでしまうこともあるんだよなあ…)
でもこれは私の願望を叶える為です!!!
_強情??確かにそうかもね。
異世界転生を!!!やって!やるの!じゃああああああああああああああああああ!!!
コホン。取り乱してしまったけど、とにかくそういうことで。
さあ、誰を異世界転生させようかな。
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