おっさん王女の異世界スクールライフ
M.FUKUSHIMA
第1話 最悪の日
今日は最悪だった。俺は勤務先のビルを出るなり思った。取引先に送るように命じられたホルダーの中に、社外秘の文章が入ってるなんて誰が思うか? 送る直前に気づいたが、送付をキャンセルすべきところをなぜか送付の方をクリックしてしまった。取引先にすぐ連絡を入れ、直接行って削除させてもらったものの課長に激しく怒鳴られた。文章を作ったのはそもそも課長なんだが、しがない平社員としては黙って頭を下げてる他はなかった。
なんとなく空を見上げると星がひとつ流れた。年甲斐もなく願い事をしようとするが、星は早々に消えてしまった。
つくづく不運だ。
と、思ったら次は三つ続けて星が流れる。そうか、ペルセウス座流星群て今日だったか。それなら一回くらい願い事を言いきれるかな? でもまあ、確率が高くなったら言うことができても逆にありがたみがない気がするし。
などと思ってると取り分け明るい光が現れた。こっちに向かっている。
ん、こっちに?
それから後のことは、本当は一瞬だったのだろうが、俺にはなぜかスローモーションのように感じた。明るい光がぐんぐん近づいてきて、最高潮に達した後真っ暗になった。
最後に頭をよぎったのは、「隕石に当たって人が死ぬ確率はいくつだったっけ?」という疑問だった。
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