随感随筆
塩砂糖
誰のせい?
最初はみんな同じだったのに。
それは何処かで道を間違えたみたいだ。
ただそこにいるだけで良かったのに。
きっとそれは誰にでも出来ることだった。
でも、誰かがそれ以上を求めた。
誰にでも出来るからと、誰にでもそれ以上を求めた。
そうしてそれは二つに分かれた。
要るものと、要らないものとに。
要らないものは、要らなくなった。
空気でも運んでいれば良かったのに。
空気なんて勝手に運ばれていくのに。
それはついでに欠陥品も運んでいった。
いくらでも代わりがある欠陥品。
代わりのない完成品は、壊れたら無かったことにされた。
周りはみんな進化していくのに。
それはずっと止まったまま。
周りを進化させることに気を取られて。
自分自身を疎かにした。
それはきっと、自分のために使われるべきもののはずだったのに。
周りに使ってしまったから、それはもうおしまい。
それ以上は進めない。これからずっと、止まったまま。
そしていつか振り返って気がつく。
まだまだ使えるものがあることに。
周りはみんな進化していくのに。
それは自ら退化を始めた。
そうして、自らをここまで作り上げたものを、周りをそれ以上に作り替えるために使用する。
誰が使うかもわからないのに。
みんなのためだったはずなのにね。
もう何も残っていないから、誰かを気にかける余裕なんてなくなった。
隣にいるのは誰?
後ろで消えていったのは誰?
前で死んでいくのは誰?
きっと何も見えてない。
そんなめだま、くりぬいてしまえばいいのにね。
誰のせい?
わかりきっている。
お前のせいだよ。
うそうそ。そんなのうそだよ。
犯人探しはやめようよ。
誰のせい?
みんなのせいだよ。
そうすれば、こわくないもんね。
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