第6話

「歩いているだけで儲かる事ないかしら」

「なに?お金ないの?」

ロリータ服と制服姿の少女2人は目立つ事はない

なぜならランドに並んでいる他の客も仮装しており人魚や童話、果てはアニメキャラクターや流行りのドラマを模した刑事まで様々な格好をし皆楽しげに笑っていた

「お金は腐るほどあるんだけどね。それを管理するお金がかかるの」

「うーん、面倒くさいね」

「そうなのよ宝くじで5億円当てて宝くじをまた購入した感じだわ」

「それ意味あんの?」

「私にもわからない」

その中を歩いていると道なりに白い壁がそびえ立ち空を見上げても果てはない

「ねぇカノン、ずっと歩いているけど何処につくのかしら」

「アンナには内緒ついてからのお楽しみ」

後ろ歩きで振り返り口元に人差し指を当てたカノンは他の歩行者から視線を集める

「カノンは彼氏いるの?」

「えーやだぁ、それおっさんの質問だよ」

「でも人気でしょ」

「どうかなぁでもま目立つ方かもカノンかわいいし」

「うーん自覚あるとは厄介ね」


長く黒い切りそろえられた艶やかな髪が揺れて止まる

永遠に続くような白い壁の前でスマホをポケットから取り出しカノンは

何か操作する

壁に筋が入り四角く切れ入口になる

「今何してるの?」

「うちらのバイト。毎日ランダムで入口が変更してて住民票と連動してランド内で飲食店手伝いとかアトラクションキャストとか自由に選べるの」

「でも遊ぶところでアルバイトとかいやじゃない?」

「わかる。でもさ毎日通ってると飽きてくるししかも中身わかるから小遣い稼ぎくらいにはなるよ、あと働いた分だけ時給発生するから」

「なるほどいい経営戦略かも」


黒い道を抜けていくと急な照明が眩しく広い場所にでた

建物内はショッピングモールに似た作りで

エスカレーターが数台見え区切られた箇所にはカフェや書類を積み上げて

ワークスペースに似た場所もある往来する人々は2メートルはありそうなBOXをカートで運搬している


「じゃじゃーんランド内に潜入」

嬉しそうにいうカノンは自慢するようにニコニコしている

「なんか簡単には入れすぎよね」

「え、だってここ裏方仕事現場だしランドじゃないもん」

「あーそうよね」


カノンが作業服で運搬作業中の少年に声をかける

「ねぇねぇ、ちょっといい?」

振り返りざま迷惑そうな顔が笑顔になる

「なんだよ?」

「ごめーん、バイトなんだけど制服忘れてさ今の制服貸出部屋どこかな?」

スマホを取り出し少年が何か確認した

「えっとC-26区画」

「ありがと、助かる」


目的地を目指すカノンにビッチが呟いた

「美人はお得よね」

「あのね。カノンは美人より可愛い系なの」

「どっちにしろ羨ましいわ」

「アンナも可愛いじゃん」

「そういうことじゃなくて華?があるから」

「はな?」

「こう、自然に人の目に留まるかんじ。それってカリスマ性じゃないかしら」

「ありがと、なんか照れるー」





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