W Ⅰ-Ep2−Feather12 ―The second part ―
ଓ
「
やはり〝彼女〟のことを思い出せないのがその一番の原因だろう。そう考えて、ジェイトは何度か〝彼女〟の「
――そんなある日のこと。
「ジェイト」
ふとカルドに呼び掛けられ、ジェイトが顔を上げると、目の前に、彼が何かを決意した表情を浮かべ、仁王立ちしていた。思わず、ジェイトは固唾を呑んだ。
よく見ると、カルドの手には小さな「
「ジェイト、『
そう話して、カルドが「
すると、またもや「
「ぐ……あ……ッ!」
その反動で、ジェイトの頭が割れるように痛んだ。更に、「
……そうだ、このブレスレットもきっと〝彼女〟に縁があるものなのだ。目が覚めてから、なぜ自分がそのブレスレットを身に着けているのか、ジェイトはその「
そこまで考えて、ジェイトは再び頭痛が襲って来るのを感じた。〝彼〟はとっさに、ブレスレットを着けた手で、頭を押さえつけた。すると不思議なことに、その痛みが和らぎ、ふと、ジェイトの頭の中に〝彼女〟の言葉がよみがえる。
――あなたはいつも私を助けて守ってくれるけど、私もあなたを守りたいってそう思ってるの。
……あぁ、そうだ。「皆を守る」と話す〝彼女〟は、どこか気丈に振る舞っているところがあるのだ。――本当は不安や恐怖を感じているのだ。そんな〝彼女〟を「誰か」が支え、守らなくてはいけない。その「役目」を担うのは――――。
「カルド、僕が間違ってた。 ――本当は、僕が自分から動かなきゃいけなかったのに、今まで何もしなかった僕が悪かった。 ……ありがとう、きっかけをくれて。 僕、『
頭痛は治まったが、依然として【
「あぁ、もちろんだ。 ジェイト、ミリアのところへ行こう。 ――
その問い掛けに二つ返事でうなずいたカルドがふと、ジェイトの方へ手を差し出した。
ジェイトはカルドにうなずき返してみせると、迷うことなく彼の手を取る。そして、彼に手を引かれるまま、外へと足を向けたのだった。
ジェイトがカルドに連れて来られた先は丘だった。そこには、腕を組み、彼と同じく仁王立ちしているミリアが待ち受けていた。
「ミリア、連れてきたぞ」
カルドはミリアにそう声を掛けると、ジェイトを彼女の前に押し出した。その瞬間、待ちくたびれたと言わんばかりに、ミリアが組んでいた腕を解いた。
「それじゃ、ジェイト。 ちょっと荒療治になるかもしれないけど……いい?」
そう話すミリアの気迫にたじろぎつつも、ジェイトはすぐさまうなずいてみせた。どんな方法であろうと、「
「ねぇ、ジェイト。 カルドに『
すぐにジェイトは「
ジェイトの反応を見て、ミリアは深くため息をつきながら、「……そう」とそっけなくつぶやいた。――かと思いきや、次の瞬間、勢いよく片手を上げると、ミリアはそのままジェイトの頬を打った。
「――なら、あたしが思い出させてあげる! あの時、あんたはあたしと約束したのよ! ――『あの
間髪入れずに、もう一発ミリアの平手が飛ぶ。それを受け止めながら、ジェイトはうっすらと「
それと同時に、激しい頭痛がまたもや襲って来た。すぐさまブレスレットを頭に当て、抵抗していると、ジェイトはふと「あの日」のことを少し思い出した。
「あの日」――ジェイトはこの「
そう気付いた瞬間、ジェイトははっと息を呑んだ。どうしようもなく〝彼女〟に会いたくなって、思わずジェイトは辺りを見回し、エリンシェを探した。
名前を思い出したことで、再びジェイトの頭に激痛が走った。反動が大き過ぎるのか、今度はブレスレットを使っても痛みを抑えることができなかった。くらりとしながらも、ジェイトは肩で息をして、何とか踏み止まる。
そんなジェイトの目の前に、ふと〝誰か〟が勢いよく躍り出たのだった。
「――ジェイト!」
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