春までは何も見たくないんです炬燵布団で穴熊作る

その部屋に逃げ込まれたらおしまいで藤井システムみたいに追った

少しだけ心開いた瞬間に香りで止め刺してみたいな

頑なに籠る心の防衛線越える魔法は正しい手順で

いつまでも棒銀だけのあなたでもその攻めっけが心を揺らす

団体戦止まぬ震えを押し込めて一、二、の三で銀をつまんだ

人はいつ直進するのを諦めて右銀までも身近に置くの

十年後君の手元に戻るから迷わずに僕突き捨てていい

見よ駒が私のために輝いて早く指せよと促している

されどまだ流れを乱す彗星が宇宙を割いて駆け寄ってくる

三分の沈黙の後７六歩古よりの正義の儀式

伝説に残る勝負の中でなぜ瞬きをした記録の君よ

明日には重みが節理越えるので畳の予備が必要になる

その悪手神なら鉄槌下すはず試されている我の霊性

水を飲む音が記憶を惑わせる一時でいい五感よ黙れ

秒読みは悪魔を祓う儀式なれ二人は清き霊魂であれ

永遠が定めていたさ打ち歩詰め光の筋を遍く辿る

君は今敗者で最も美しい再びここで踊り狂おう

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