第6話 こういう時のための……
立つのも面倒くさそうなタカヒロを説得して、田中山を先頭に三人はコントロールルームを目指した。
田舎のイオン並に広いイブーシギンを、あっち迷い、こっち迷い、時々ドアに体当たりしながら進み、なんとかたどり着いたコントロールルーム前。
が、さすがはコントロールルーム、ドアの強さも半端じゃない。一郎が途方に暮れていると田中山が言った。
「デ……タカヒロ。頼む!」
ああそうか、そうかそうか、この時のためのコイツか。やっぱあったまいいわタマ、チクショウ。
タカヒロがめんどくさそうに前に出る。半分齧ってよだれがついた大福を一郎に手渡すと、タカヒロは「とんとんとん……」と小さな歩幅で何故か斜めに歩いて(走ってるつもりらしい)ドアに体当たりした。
ぼよよ~~ん。
風船のように跳ね返るタカヒロ。
戻って来た奴を体当たりで押し返す二人の男。
ぼよよ~~ん。
またドアに跳ね返されるタカヒロ。
ぼよよ~~ん。
ぼよよ~~ん。
ぼよよ~~ん。
ぼよよ~~ん。
何のスポーツだよ、これ!
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