第3話 事件発生!
カン、カカン……コツン。
「おい、何だこの音?」
部屋のどこかから変な音がする。
コン、ココン、コッココッコッ、カンカカカンのガン!
「お、おい。最後ガン!って言った、ガンって!」
ガン! はヤバいだろ、ここ宇宙ステーションだぞ、しかもボロいんだぞ、穴開いたらどーすんだよ。と佐藤一郎がマジでビビっているとタカヒロが一言。
「
「ひょう……? って宇宙にそんなもん降るかいな!」
左手の甲で思い切りタカヒロの胸に突っ込む一郎。
しかしその手の先では、あるはずのない”おっぱい”がぷよんぷよんと揺れている。おっぱいを触って気持ちが悪いと感じたのは一郎も生まれて初めてだ。
ていうか母ちゃんの以外に触ったおっぱいが肥満体男子のってどうよ? ああ、一度は女の本物を触ってみたい、それまでは絶対に死にたくない!――。
少年の中でにわかに沸き立つ性……いや生への欲望。
「ウィー! ウィー! 業務連絡、ぎょうーむ、連絡。全職員は至急第三エアロックに集合してください。修学旅行のお客様は全員自室に戻り、次の指示があるまで待機をお願いいたします」
サイレンとともに館内放送が鳴った。抑えた表現だが、アナウンスの声には隠せない緊迫感があった。
「おい、マジかよ、なんか起こってるよ。やべーよ、やべーよ」
挙動不審な動作で慌てている一郎に、タカヒロは本日七個目の大福を口に入れたまま、こう言った。
「ふはひほへほやりはほ」
「先に飲み込めー!」
一郎はそう叫びながら、まるで見えない何かに操られるかのように、頼まれてもいないお茶を差し出すのであった。
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