灰空ノ六花

見上げた灰空ハイゾラ

六花りっかが風に流れている


吸い込んだ空気で

心 凍ってしまわぬよう

マフラーに口唇 埋めた


真白に足跡残してみる

無意味な不安定な足取り

けれど確かな今の僕だ


吹雪止んでも青空は見えなくて

標 見失うばかり


寒々とした孤独の真ん中で

手に吹きかける息すらも

凍てつく夜だ


静寂の中の真黒の闇だ


けれど真黒に

彩が滲む

街灯が窓明りが

滲んで溶けて

彩に成る


冷たい空の花を

温める光だ

穏やかに灯る

優しい光だ


温かに還ろう

冷たいを今

痛いほど感じるけれど


温かに還ろう

温かに還ろう

愛を凍えさせないで


灰空ハイゾラ六花りっか

溶かす熱を宿そう

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