呼吸するということ
生きるために吸い込んだはずの空気が
喉に詰まって呼吸を奪う
空に漂うくすんだ色が
風に揺れてドロリと広がる
いつかの声と
誰かの思いが
星に拐われて夜に沈んだ
もういいよ……
喉に詰まる空気を
吐き出すように捨て去って
空を飲み込む
空に駆けるのは光だけでいい
空に揺蕩うのは愛だけでいいから
だから僕は嚥下して
命の最期を空に放った
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