眩む

星が翔ぶ 光が瞬く

ビロードのような上質の夜闇が

チカリと眩む


寒々しい空の下

コートのポケットの中に

温め合う手がふたつ


吐き出した息の白さに微笑む横顔の

その輪郭が鮮明で

吸い込んだ空気の冷たさにむせて

笑い声が咲く


ポケットの手を握りなおして

格好のつかない僕は

重なりあう温もりに眩んでいる

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