この世に蔓延る怪異共に大いなる夢を
サイキック
序章或いは終章
第1話
「夏恒例の水鉄砲大会が始まるぞ!」
と意気揚々に開会宣言をしている。身長165cmほどの黒髪の男、齋藤冬夜だ。冬夜はここに集められた全員が所属するクラスの中心グループのメンバーの一人である。
「今日が初めてでしょ。」
ボソリとそう呟いたのは、髪を腰ぐらいまで伸ばした150cmほどの女、中野梨花だ。梨花はカーストでいえば2番目ぐらいのグループに所属している人間なのだが、ツッコミ役として色々な所で見かける。少し素っ気ないがそれがまたいいと男子たちから人気の女子である。
「りかっちそう言わないでさ。」
梨花の肩に手を起きながらそう発言したのは、髪を肩ぐらいまで伸ばした身長168cmほどの女性、田中巻である。巻はよく梨花とセットで扱われるギャルである。巻の人相を適切かつ端的に説明するのであれば、その言葉が1番しっくりくるのである。耳にピアスをあけ、髪を茶髪に染めている。彼女が通う学校では校則という校則がない。しかしそれは先生側が生徒達を信頼しているからこその校風である。
「冬夜君がいきなりなことを言うのはみんな慣れてるでしょ。」
言ったのは、目を隠すまでに前髪を伸ばした少し暗めの雰囲気を醸し出している身長175cmほどの男、相澤慎也である。彼の学校での印象は、隅で本を読んでいる暗めの生徒。それがなぜこのようなメンバーに集められたのかといえば、少し話してみれば、ノリがいい、フッ軽、そして主催者の冬夜とよくゲームをして遊んでいて仲がいいからである。
彼らのクラスでは、遊びたければ冬夜もしくは、慎也を誘えと大半が口を揃えて言う。本当にこの2人は誘われれば直ぐに駆けつけるのである。しかしまだ慎也のことを誤解している人間も多いため、全員が全員という訳でもないのだが。
「まぁたしかに。」
ボソリと呟いたのは、前髪は眉毛より下ぐらいで、ほっそりとしていて身長は180cmほどの男、野川暁斗。暁斗はそれこそ慎也のことを誤解している人間である。しかし暁斗の性格は面倒事を極力避けるという性格でそのためか誰にでも優しいという人間である。冬夜を裏表のない良い奴というのならば、暁斗は裏表がはっきりとした腹の黒いやつということになるだろう。彼が腹黒い事と確信を持っている人間は幸いなことに冬夜しかいなかった。さらに当の冬夜は性格が良いため、その事を言いふらすような人間ではない。
「まぁ私はなんでもいいけどさ。夏休みの大事な一日を使ってるてこと忘れないでね。」
冬夜に少し不満そうに言ったのは、髪をポニーテールにしている、167cmほどの女、霧島優奈である。優奈はクラスの中では基本的に単独行動を好んでいるのだが、誘えば結構な確率で来てくれる。しかし来た時には基本的に先程のようなことを言う。なんだかんだで冬夜ぐらいにしか扱えない人物である。
「早くやろうぜ。」
髪を丸めている190cmほどの男、蓑島康太がそう発言する。康太は基本的に馬鹿である。しかし、鋭い物言いや鋭い感からよく冬夜に振り回されている。それが終わる時には冬夜の方が疲れきった顔していてどちらが振り回されているのかわからなくなる。
と言ってもその後冬夜は「あれは楽しかった。おまえらも来ればよかったのに」と発言するため、冬夜自身も楽しんでいるとい事が分かる。
「何も水鉄砲で遊ぶってだけじゃないでしょ?」
と発言したのは、髪の毛をハーフアップにしてる、165cmほどの女、加藤真美である。真美は冬夜と同じグループの人間であるが、冬夜とはそこまで仲良くないと明言している。しかし傍から見れば2人とも普通に仲が良いように思える。いつここ2人がくっつくのかと賭け事をしている輩もいるほどに二人は仲良く見える。
「いやまぁ俺は水鉄砲で遊ぶだけでもいいんだよ?」
と言い放ったのは、髪を目が隠れるか隠れないかぎりぎりよとこまで伸ばした男、一和人である。和人は梨花のグループのリーダー的存在であるため、以前までは冬夜の事を目の敵にしていたのだが、今ではよく冬夜と遊んでいるところをみかける。
「今からルールを説明するぞ。」
ばっと冬夜は地図を開く。その地図はここから約半径3キロ圏内の地図であり、所々の公園に丸が着いている。公園の丸の数は8個である。
「今からお前らにはこの丸のところに行ってもらう。」
この近くの公園もあれば、すごく遠い公園もある。
参加者全員が冬夜のことを疑う。馬鹿なのではないだろうかと思ったであろう。けれど冬夜はお構い無しにルール説明を続ける。
「その丸のところにはそれぞれの役職の書かれた紙とヒットポイントととなるこういう紙が置いてある。」
冬夜はそう言いながら、丸い円が書かれた紙を見せてくる。その紙をぴらぴらさせながら
「この紙が5枚あるから、人から見えるところに貼る。それ全てを水に濡れて破れたら負けだ。」
参加者全員がルール説明を聞いている。そこで康太が手を上げる。
「人から見えないところって言うとどこだ。服の中とかかい?」
「まぁそうだな。そんなところだ。あとは靴の裏とかはダメだな。」
康太の質問に対する問に対する答えをサラリという。どうやらこの、変な催し物はすごく時間をねって考えられているようだ。
「役職ってのが気になるのだけど。」
まきは髪をクルクル巻きながらそう発言した。その瞬間、冬夜、康太、真美が笑い出す。そのほかの奴らはよく分からないと言いたげな目線でその3人を見つめる。
「すまん。役職の説明だな。8つの役職がある。
1つずつ説明していくな。
1つ目はセイバーだ。基本的に支給される水鉄砲ともうひとつの柔らかい剣を支給される。
2つ目はサーチャーだ。今からお前らに入れてもらう位置情報アプリを唯一確認できる役職だ。
3つ目はサーチャーの対抗役、アサシンだ。アサシンは唯一位置情報を切れることが出来る。ちなみにオンにするのもありだ。
4つ目はライダー。水鉄砲プラス自転車が支給される。機動力にたけた役職だ。しかし水鉄砲の飛距離は通常より少ないものになる。
5つ目はガンナー。この役職は銃を二本支給される。飛距離はさっきのライダーの銃と同じくらいだ。
6つ目はスナイパー。射程の長い銃プラススコープが着いている。普通にスナイパーが支給される。普通の銃は支給されないから気をつてな。
7つ目はボマーだ。通常の銃と水風船が支給される。
最後にネクロマンサーだ。これは少し特殊で銃は支給されるが、他の武器は支給されない。能力を使いたい時は、俺にメッセをくれ。そうすることにより、リタイアした人間の中から誰かが、使えるようになる。」
スっと2本の手が上がる。片方の手の方を指を指す。発言権をえて、和人は口を開く
「倒した相手から銃を奪うのはありか?」
「........ありだな。そっちの方が面白そうだ。」
少し間を開けて冬夜は答える。どうやらそこまでは考えていなかったようである。ここまで大掛かりなことをしているのに細部まで考えていないのは冬夜らしいといえば冬夜らしい。
「次私ね。肝心な水はどうするの?」
優奈が口を開く。
「おいおい。丸がついてあるのは公園だぞ?公園で水は補給するだろう?」
「了解」
こうして全員は各々好きな公園へと走り出した。地図は先程、全員が入ったグールプを作りそこに貼った。さらに位置情報アプリも全員が今の所オンにしている。まだ誰も到達していないことを冬夜だけが確認できる。
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