第1章 魅力編
001 「プロローグ」
『さぁー皆さん!!バトル開始まで残り5分となりました!実況は半公式プレイヤーことアキアカネと、解説のヒカリがお送りいたしま〜す!!』
そんな元気で
『今回のバトルはなんと!!ランキング9位!!武闘大会の全大会優勝者!誰も見つけられない!魔法属性〔氷〕を使い、
今名前を呼ばれた彼女は私の大切な親友「ユキ」。
彼女とはもう長年の付き合いで結構な高頻度で私と一緒に過ごしている。ユキはリアルでも強くて可愛い。
今は白銀に少し水色を足した感じのロングストレートヘアーに水色の瞳な彼女は対して寒くもないのに厚手のこれまた白いコートとブーツでその舞台に上がって来た。衣装には所々に雪の結晶が散りばめられていてさらに可愛さが際立つ。可愛さと綺麗さが対等に存在するって反則じゃない?
『そして、対するプレイヤーは〜。ランキング1445295位!!上位ランカーのアツキ〜〜〜』
その舞台の反対側からやってきたユキの対戦相手は赤髪に同じカラーの赤い瞳を持つ男の子だ。私たちより少し幼めかな?ユキとは違いその服装はしっかりとしたThe 戦闘服といった
「ユキさんですね。ランダムで対戦ルームに入ったとはいえこんなことになるとは。
「えぇ、アツキさん。こちらも負けられない理由があるの。いいとこ見せないといけないからね。よろしく」
かなりふたりとは距離があるが、対戦するプレイヤーの会話は聞こえるようになっているらしい。そんな会話が聞こえてきた。あれ?ユキ…
アツキ選手は口調も優しめで好青年って感じがする。
《バトル開始まで残り10秒です。シールドを
システムのアナウンスが流れ、シールドが観客席と両プレイヤーの真ん中に
次に変化があったのはアツキ選手の方だ。
まず赤、次に緑に体全体が光る。たぶんバフ?とか言うやつじゃないかな?そしてその腰の剣を抜き放った。
対してユキは何もしない。そうしている間にもカウントは進んでいく。残り3秒…。
「ナユカ!!見ててね? さぁ【私と一緒に踊りましょう?】」
その次の
そしてバトル開始のカウントダウンが始まった…。
3…2…1…スタート!!から全力で上へ飛ぶユキ。
攻撃そっちのけで〔飛行〕のスキルを使い全速力で真上を目指している。相手のアツキ選手もユキと同じく真上に飛ぶ。だが何故かユキのほうが初速が速いのか。2人の高度には差がありユキが少し上を取っている。
「いくら9位様でも…。弱気で行くなんて僕らしくないからっ!!初めっから全力で叩き
彼がそう技を
『おぉーっと!両プレイヤー開始直後から上を取りに行く
【pit fall】が発動!!ユキ選手の頭上から大量の弾が落ちてくるッ!!これはどういったスキルの組み合わせなのでしょうか?』
『まず。〔魔法〕で出されている弾。属性なし。それを相手の頭上に〔指定〕。弾の速度を見るに〔落下〕のスキル。弾に使ってる。これは上昇中にされると。
実況者らしい2人の声が聞こえてくるが、私には何がたんだか。初心者なのだからわかる訳もなく聞き流す。
対するユキはその落ちてくる弾幕を避ける素振りもせずただただ上を目指す。え?当たっちゃうよ?ダメージくらっちゃうよ?
私の
するとそのキラキラな粒子は相手の放った弾幕に触れ、さらに相手の弾幕を物理的に凍らせてしまう。さらにその凍った弾幕をユキはいつの間に取り出したのか。これまた雪の結晶だらけのオシャレなタガーで斬りつけその凍った弾幕を木っ端微塵に粉砕してしまった!
『 ぉぉーーー!?でたーー!白雪姫と言ったらこれ!!弾を
「そう簡単には食らってくれないか…」
こうしてユキは上から降ってくる弾幕を難なく突破。相手よりもさらに上を取ることに成功した。どうやら上を取ることが目的らしい。
「【
そうして自身より下にいるアツキ選手に向けて何が技を唱えて見せた。
『あーーーット!!ユキ選手の【
ここからアツキ選手はどう切り替えるのでしょうか!!このままでは不味いぞ〜っ!?』
『試合が長引けば。アツキ選手は不利。未だ解決策。あまり解明されてない。状態異常:凍傷。なってしまえばダメージ
どうやらユキのあの技はあたりの温度を下げる効果があるらしい。簡単に解釈するとデバフみたいなものなのかな?確かに寒くなると動きにぶりそうかも。
それを見て作戦変更なのか。アツキ選手が持っている剣を構えユキを見上げる。
「弾が凍るなら…、斬撃ならどうかな?」
アツキ選手が剣を振り抜いたと同時。剣から何が飛び出しユキ目掛けて進む。ユキは一瞬表情をなにやら驚いたものに変えすぐに回避行動を取った。
ユキは横へ体をひねりながら避けることでその攻撃を
「くっ!!〔
「まだまだ行くよ!!」
なるほど、そういうスキルもあるらしい。
そこに連続で放たれる斬撃。崩れた体勢では
『アツキ選手が
『ユキ選手。氷では物理攻撃。砕けない。凍らせるのに時間がかかる』
なるほど、だから凍らせれる冷気じゃなくて回避にしたんだね。
『さあ、どうするか…。おっと!対するユキ選手、相手に
『いい攻撃。氷弾を放つ。相手に飛撃を打たせない。
ユキも今度は氷の塊。氷弾?っていうのをアツキ選手目掛けて放つ。かなり広範囲に散らばるその弾幕を回避するためかアツキ選手の攻撃も控えめになった。
「そろそろかな?」
そうしている間約2分ほど…。氷弾で相手の動く場所を制限するかのようなユキ。相手も合間合間に〔飛撃〕や、魔弾を使ってユキに攻撃してきたり、氷弾を剣で防いで砕いたりしている。
そうしているうちにアツキ選手は焦ったのか。
「くっ!!キリがないッ!!それならこれでどうだッ!!【
そんな言葉と共に彼の周りに現れる魔法陣の数々…。そこから放たれる無数の魔弾。さすがにこの量を凍らせるのは無理そう。そしていつの間にか消えるアツキ選手…。あれ?
「
気づけば大量の弾幕の影に隠れたのか?アツキ選手がユキの背後に回り込んでいた。速くない!?
『「かかったッ!!!!」』
だがしかし、ユキと実況の人はわかっていたかのように。
「へ…?」
パキーーンッ!!
「砕けろ!」
ユキはアツキ選手を氷漬けにしてそのまま木っ端微塵に砕く。
その場に残ったのはキラキラと舞台中に降る粒子とバトルが終わりそのドレス姿のまま可愛くも美しい
勝利の実況アナウンスさえも
こうして目の前で繰り広げられたバトルに私は魅せられ、このゲームの世界に踏み込むこととなる。そしてこのゲームは私の
これはプレイヤーによって引き起こされる「革命」により常に環境が変化する「ゲーム」
ある時革命によりプレイヤーによって武器がもたらされた。
ある時革命によりプレイヤーによって魔法がもたらされた。
ある時は革命により空を自由に飛べるようになり。
ついには水中でさえも自由に活動できるようになった。
さあ、次はどんな「革命」が待っているのだろうか?ゲームはまだまだ進化していくのだ。
ーー
作者コメント
長編となります。続きが気になる!面白い!と思っていただけたら幸いです。
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