EC:188 盤面上のジョーカーと、盤面を支配するキング
『で?助けて貰ったのはいいけど!これからどうすればいいのさ?』
「…」(コンコン)
いやー、正直に言うとね。この子喋らないから分からないんだよ…。
彼女はなにかコンソールの本体を叩いてアピールはしてくれてるんだけど…。それで分かったら苦労しないよ!
「…」(↓)
と指を指す辺り、そのコンソールになにかすればいいのかな?こうなるならマザーから最新版ジェスチャー辞書でも追加でインストールして貰えば良かった!
たぶん、今日以外だと使わないけど!
「…」(↓…ー・ー・ ーー・ー )
はい?一体何を…。
CQ…。
モールス信号ですか!?今どき!?!?この時代にそんなもの覚えてる人なんているんですか!?
「…」(↓…ー・ー・ ーー・ー )
『だ、大丈夫です…。続けてください…』
「…♪」(・・ー ・・・ ー・ ・ ・・・・ ・ー・ ー・・・ ー・ー ーー ・・ ・ーー ・・ ー・・ ーー・ ーーー ・・・ー ・ー )
簡単に言えば私とログインするためにRBGのメインシステムをハッキングしろと!?んなむちゃくちゃな!!
モールスもめちゃくちゃですよ!!定型文を単語だけ覚えてる感じですね。無理やり伝えようとして咄嗟に試して見た感じですか?
※ノーノーノー、作者がモールス調べて文にしたかったけど、欧米モールスのやり方知らなかっただけさ!無理やり作ったけどたぶん意味が全然違う可能性100%なので解読はしないでね!!誰が教えて(ボソッ
『とりあえず探ってみましょう…。ログインできるかは…。かなり可能性は低いですからね!』
「…♪」
この子一体何者でしょうね!?こんな状況下でなぜ1人で出てこられたのか謎です!しかも喋らない!
無口っ子ですよ!その代わり表情豊かですけど。
『あれ?』
すんなりと…。何も抵抗もなく…。自分がRBGのAIだからかな?
えっと、ログインは…。
行けそう…。え?
「♪」
もう既に寝転がっている彼女、そこ床、まあまあ硬いですけど、人間にはきつくない?痛くない?
『あ、ちょっと待って!!ログインしてるし!!』
なんか、すごい子のお守りしてるんですけど!?
*
「RBG内はどんな感じかな?」
『状況はこちらが優勢、追加の援軍も随時到着予定です。那由花様も今のところHPに問題はありません。脱落者は3名。いずれもナビィの指示した作戦行動中、シルエットにてやられました。データは盗まれてしまいましたが、那由花様以外のデータは盗まれたとしてもそこまで問題はありません。向こうにとって渡してはならないのは、「花恋様が太陽圏に逃れていたこと」「その子供が那由花様だということ」です』
「もし、那由花がゲーム内で死ぬと何が起こる?できるだけ予想してみてくれ」
『データが盗まれ、敵本体に知られた場合。「現在、ガーデンプラントに居る軍団の地球への進行」、「花恋様の誘拐」あるいは「那由花様の誘拐」、「太陽系全体に敵の侵入」、「全AIの停止」です。少なくとも「花の約束」継承者が捕まるのだけはなってはありません』
「ふむ…。「花の約束」か…。花恋の力でさえ、強力な方だと言うのに、那由花はそれ以上だからな。まだ、能力の全貌がよくわかってないが、「それ」からしたら那由花はいい贄になる…」
『地球やガーデンプラントどころか、銀河系が危うくなります。まだこの銀河系には確実に生命が存在する星は存在するでしょう。最悪の展開です』
「そうはさせない。花恋との約束だからな」
『逆に言えば、この戦いに勝てば、かなり高確率で、それを退治できるのではないでしょうか。ガーデンプラントも女王は少なくとも無事なのは確かです』
「時間はかけない方がいい」
『それはごもっともです』
「頼むぞ。那由花、君が今後の人類の運命を決めることになる…」
『現在、軍艦が太陽系全体を囲っています。最悪そこで情報を止めましょう』
「常に最悪を想定しておいてくれ」
『了解しました』
…
「トビィ、もし私が捕まったら、私を殺しなさい。那由花だけは絶対に渡さないわ」
『了解しました』
作者コメント
追加で物語を書きました。
モールスはいつの間にか変わってるかもしれません。
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