EC:179  パープル いず あ ?

*>>ナユカ視点



 なぜか先程よりも快適に進行することができている。

 …なのに、なぜか…。なぜか!!あまりよく分からない気持ちをムンムンさせているナユカです!


 景色がいいな〜?遠くまで見通せちゃうな〜()

 ちなみにユキは、後悔はしていない〜!(キラン!)


 だそうですよ?何がとは言いませんが…



 そんなこんなで、先程よりもペースが上がり絶好調なのですが…。私たちは新たな壁にぶつかることとなります。


 それは…。ひょんなことから。始まるのです。



*



「ん?」


『どうしたの〜?ナユカ〜』


 私が咄嗟とっさに出した声を聞き取ったのか、ユキが気になって〔念話〕でたずねてきた。


『いや、遠くにオーブが見えたから、ゲームのシステムは生きてるんだなーって』


『そうなんだ〜、もし進行方向にあったら取るのもありだね〜。単純に戦力が上がるかもしれないし〜。ナユカの場合はまだほとんどダブりスキルを引くこともないでしょ〜?』



『わかった。あったらね?』


 進行方向にあるなんてことそうそうないとは思うけど、オーブの出現はほとんど完全にランダムなため、私たちはその時は、期待せずに進行していた。



*



 しかし、物欲センサーでもあるのか…。普段探しても見つからないのに、こういうどうでもいい時に限ってレアというものが出てくるのはどうかと思うよ?



『紫…。最近話題になってた新色のオーブだよ〜。なんか知らないけどラッキーだね〜?ナユカ取っちゃいなよ〜』


『いいの?』



『いいよ〜。時間がないし早く早く〜!!』


 ユキは取るつもりがないらしく。私にそのレアオーブをゆずってくれた。そんなことしてる場合じゃないかもだけど、起死回生の一手になるかもしれない。そんな、想いが…こんな非日常をどうにかしてくれるかもしれない。


 そう…私たちのメンタルは追い込まれていたのかもしれない。わらにもすがる思いで、こんな異常事態を切り抜けられたなら…


 それは高さで言うと10m程の高さにあり、私とユキは素早くオーブを取得すべく接近していく。


 一応周りを見て、シルエットがいないことを確認し、そのオーブに手を伸ばした。

 紫色の光。もしかしたら希望の光。そんな願いがこもっていたのかもしれない。



 いつも通り、紫色の霧?煙?が私の中に吸い込まれていく。そして。














 異変はすぐに起こり始めた。








《スキル・逆☰├□●┤(♡>□─”[────し──》




「え?」


 一瞬空間にノイズが走る。



『ナユカ?』


『!!2人とも!!下に避けて!!』


「「!!!?」」



 途端にナビィからの警告。かなりあせった様子に、私もユキも即座に下に向けて落下を開始する。


 その次の瞬間。その地点には沢山のノイズと、空間の亀裂きれつが現れる。その亀裂はどんどん広がっていく!?このままだと二人とも接触してしまうっ!?


「ユキ!!」


「!?」


 ユキを咄嗟とっさつかむことに成功した私は、そのまま〔ジャンプ〕を使いさらに横に逃げる。


「グハッ!!??」


 〔ジャンプ〕の挙動きょどうれてないユキに急激きゅうげきな方向転換とその衝撃がダイレクトに伝わってしまっているが、今はそれどころではないので許してっ!


 だんだんと広がる亀裂はさらにヒビのようにパキパキ音を立てながら周りの空間を破壊していく。


「!?」


 〔ジャンプ〕を使用し、さらにヒビ割れていく空間を見ながら、それに当たらないように回避先の軌道きどうとユキを振り回す。


 「花の約束」があるから軌道を見てけることができるけど、なかったら2人とも直撃していたのではなかろうか。


 何とか無事、亀裂に触れることなく、安全な場所にたどり着いた私たちは、そのまま地面に着地しその様子をうかかう。


 一応、亀裂の進行は終わったようだが…


『敵に囲まれました。シルエットと思われます。動きからして、姫の位置情報がれましたね…。全ての敵性反応がこちらに向かって進行を開始しています』


『なんでバレたの!?』


 シルエットはナビィからの妨害で位置情報が送られないようにしていたらしく。そのおかげで、敵に私たちの居場所がバレていない。

 大規模戦闘システムを破壊した時にも実は一瞬バレてたっぽいけど。爆発で雲隠くもがくれできてたのに!

 そのため敵は最序盤こそ闘技場周辺全方位にシルエットを配置していた。そして大規模戦闘システムに集まってきていたシルエットが、全て示し合わせたかのようにこちらに向かって進路を変更している。


『すいません。私のミスです。システムアナウンスが敵のハッキングにより制御下から奪取だっしゅされていたようです。そのためスキル取得のアナウンスの位置情報から姫の居場所がバレました』


 つまり2回目の位置バレ。私たちの進行方向が割れた事で敵は私達の進路上に集まり始める。

 ナビィからの謝罪。今はそれどころではない。



『じゃあ一時的にバレただけってことだよね?今からすぐに移動すれば!』


『はい。敵が集まりきる前に突破しましょう』


『ユキ!移動するよ!』








『ユキ?』


 あれ?返事がない…


 ユキの方を見ると…


 なんか目を回してるッ!?


 誰だ!シルエットの攻撃かッ!?



『それは姫様の攻撃ですね…』


 あれ?私?


『〔ジャンプ〕で視界をらしたあとの、追撃で振り回していたので』


「あ…」


 なんか…その〜…。ごめんね?わざとじゃないから!



「ユキ!!起きてー!!」


「うにゃ〜?」


 なんか可愛い声が聞こえたけど今はそれどころじゃないよ!!あ、後でもっかいやろ。


『今すぐ逃げるよ!?』


『あい〜』



 …絶対後でもっかいやろ。


 これあれか…。しがとうといってやつかー!!!



 私の中で今世紀最大の事件でした。最後のユキが全部もってったよっ!

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