V1.14 ギルドを作ろう!
お昼ご飯を済ませて、再びRBGにログイン。
再び現れる私たちを見て、アリオト艦長達は立ったまま呟いた。
「警備面が…、不安になってきた…」
「プレイヤーは消えた所か、決まった場所でしか現れないから大丈夫だよ〜。もし不安ならこのノアの中で消えるのは禁止にしたら?」
ユキの提案を受け、ノア内部でのログアウトは原則しないこととなった。と言ってもアリオト艦長の許可があればいいらしい。どうしてもそこら辺は制限かかるよね〜。
全員が
「皆さん、よろしくお願いします」
「「「「「「よろしく!」〜」」」」」
挨拶も程々にノアを出る。入口が開き外の景色が
「ノアの…。外に出たのは…。何年ぶりでしょう」
そう言いながら当たりを見回し、少ししゃがんで土を触って見たり。
そんな様子を私たちは何か言うわけでもなく、黙って見守っていた。
たぶん、その時ヒイロさんが感じていたものは私たちが気安く触れていいものではない。と皆察しての行動だろう。
アリオト艦長の話を聞けば、元々住んでいた星系では脱出の際にも少なくない犠牲が
これがたとえ作り話でも。彼女は今ここにいるのだ。
しばらくして、ヒイロさんは私たちに向き直り。
「すいません。つい感傷に浸ってしまいました。お時間をいただき申し訳ない」
「気にしなくていいぜ?全員わかってるつもりだ。そのうえでうちらは共生すると決めたからな」
「感謝する」
珍しくミカちゃんが真面目な態度でそう言った。
*
次に私たちが向かうのは闘技場。ここにギルドを作れる場所があるらしい。
普段は、依頼などを受けられる場所があるらしく、そこでギルド登録もしているらしい。情報源はビュアさん。私はそもそも使ったことすらないんだからね!
「行くまでにオーブを探しておきたいんだよね〜」
「確かにあったらラッキーだな!」
「オーブ?ですか…」
まだオーブそのものを見たことがないヒイロさんは、よくわかってないのか首を
まあ、私も最初見た時は、「なにこれ?」ってなってた記憶があるから、話を聞いただけのヒイロさんにはイメージがわかないっぽい。
無理もない。だってそんな
ヒイロさんはもちろん〔飛行〕できないため、私たちは全員歩きで闘技場に向かっている。
7人で守るように移動しているため、他のプレイヤーとすれ違うと威圧感があるのか。
見つけた瞬間ギョッとして避けるようにどっかに行ってしまう。私たちなんかしたっけ?
…心当たりがあり過ぎてなんとも言えないね!
まあ、こないだみたいに襲って来る人がいなくて良かったよ。
「あ!オーブ!!ありましたわ!」
そんなこんなで、歩いている最中にアリアさんがオーブを見つけてくれた。私?考え事してると周りに意識が行かないことを現在進行形で確認したとこだよ。
全員でそれに近づいて行く。色は白だね!
「これに触れてみて〜」
「こ、これが…」
実際にオーブを目にして、ヒイロさんは見たことの無い球体が浮いていることに
「っ!?」
触れた途端に割れ中からモヤモヤしたきりのようなものがヒイロさんにまとわりしばらくした後、胸の中に入っていく。
咄嗟に目を瞑り、腕を交差して急所を守るヒイロさんだが。全くの素通りでその霧状のものは全てヒイロさんに吸い込まれていった。
「どう?」
「こ、声が…。聞こえました」
「なんて言っていたかな〜?」
「えっ、えーと…。スキル…。〔仲間〕を獲得。と言っていました」
〔仲間〕?
「う〜ん、すぐに実感出来るスキルじゃあなかったね〜」
「一体、どんな力なのでしょう?」
うん、私もそのスキルの効果知らないんだけど。
「それは〜、戦闘になった時にパーティーメンバーの人数に合わせて少しだけ、防御力が上がるよ〜。あと誰かの攻撃を庇った時に、たまにノーダメージっていう隠し効果もあったりする」
「なるほど」
「「へー」」
ヒイロさんは納得し、私とミカちゃんは初めて知ったので2人でハモる。
説明もそこそこに、また私たちは闘技場に向けて歩き出した。
*
その後、何事もなく闘技場周辺のセーフエリアに到着する。
「無事たどり着けたね!」
「他のプレイヤーが攻撃的じゃなかったのが良かったな」
「さすがに、今はモンスターが共通の敵ですからね。そっちがまだ残ってる地域もあるらしく、そこにヘイトが向いています」
「守っていただきありがとうございます」
「いいよ〜。好きでやってるしね〜」
そうして受付に到着する。受付と言っても人がいる訳でも無くただコンソールエリアに入るとメニュー画面に項目が増えるだけだ。
「少し待っててね〜」
ユキがそう言い、そのままメニューを
《ギルド「
システムアナウンスがかかり目の前に情報画面が浮かぶ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ギルド:力の解放(リリース)
ギルドリーダー:ユキ
ギルドホーム:無し
ギルドメンバー数:1
加入条件:承認制
説明文
少数精鋭。基本メンバーの追加は無し。もしかしたらこちらからスカウトかけるかも。喧嘩売って来たらガチで潰す。以上!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うん、なんともまあ…。普通こんな説明文はないんだけどね。強気と言うよりかはこっちから喧嘩売ってない!?
「いいですね。喧嘩売って来たら潰す…。ボコボコにして
ビュアさんっ!?動画のネタになるからってそんな過激なことしたらダメだよっ!?
「うちは敵の本拠地をぶっ飛ばせばいいんだなっ!任せとけ!!」
いや、ミカちゃんもちがーーーう!!
「まあ、なんだ。どんな攻撃がこようとも斬ればいいんだろw?」
頼もしいけどっ!全員好戦的だねっー!?
「諦めるですわ、ナユカ。たぶん現実になりますわよ…」
うそーーんッ!!嫌でも!もしかしたら誰も来ないかもよ?
「頼もしいです」
ヒイロさんはたぶんわかってないな!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます