V1.13  ゲームシステム






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 【ワールドクエスト】「来訪者」:クリア


 「来訪者」を救い。協力関係を構築する。その後■■■を倒し、彼らを新たな星へ送り出す。


勝利条件 「来訪者」の旅立ち。or帰郷。

敗北条件 各惑星。衛星の敗北。来訪者の全滅


クリア状況:測定不能。

 マザーへ報告。


 回答。

 ゲームシナリオの破棄を開始。

 ゲームシナリオの再構築を開始。


 「協力」から「共生」へ。


ワールドクエスト「???の??」を破棄。

ワールドクエスト「共生社会の構築」を作成。



勝利報酬:???、???、???、???。

を破棄。


報酬変更→「共生関係構築」


 備考:彼らに決して屈してはならない。


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 なんか…。なんかクエストが大変なことに…



「なにこれ?」


「さ〜?」


 とりあえずクリアになってるからいいのかな?


「これもしかしてメインストリーとしては想定外だったんじゃね‪w?」


「…」



『外でまた腕輪光った!』

『シナリオ破棄…あ…』

『あ…(』




 コメントによるとまた腕輪が光ったって…。黒龍の時と同じように、全プレイヤーに通告が行ったっぽい?


 私、腕輪が光ったとこ見たことないんだけどね。



〖ワールドクエスト、来訪者。がクリアされました〗



〖ワールドクエスト、共生社会の構築。が開始されました〗

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【ワールドクエスト】「共生社会の構築」


「来訪者」との「共生」を選択した「プレイヤー」は彼らと共に、発展せねばならない。いつ来るか分からないモンスターの存在は、もはや、我々の問題でもあるのだ。


勝利条件:???

敗北条件:???


クリア状況:1%


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 なんか始まった。これもしかしてほんとにゲームのカテゴリー変わってない?


「共生社会の構築って何すればいいんだろうね?」


「さ〜?」


 さっきからユキが空返事しかしない。たぶんいろいろ考えているんだろうね。割とこういうユキは珍しい。今のうちに目に焼き付けとこう。

 そんなゲームのクエストのことは全く知らないアリオト艦長だがその時、彼らの方にも変化が現れていた。


「こ、これはなんだ!?」


「目の前に透明な?板がっ!?」


 彼らはまるで何も無いところを触ろうかとする動きを浮かべながら、キョロキョロしていたり、腰を抜かしていたりしている。


「もしかして」


「ですわ…。NPCにゲームシステムが適用されたのですわ」


「さ〜?」


 あ、ユキがもうボットになっちゃった。


「ユキー。こっちおいでー」


「…」


 ユキは何も言わずに、そのまま私に…。抱きついてきたっ!?


「ナユカニウムが足りない…。補填ほてん~」


「ナ…?なんだって?」


 変なことを言いながら、そのまま一旦停止。ユキが私に甘えるなんて!!かなり珍しい!今のうちにスーパー甘やかしておかないと!!


「ユキさんが壊れました」


「何してんだ?」


「復活~!まあ、なったもんは仕方ない~。とりあえず、ギルド作るぞ~!」


 あ、思ったよりはやくに…



「軽く現実逃避してらしたのですね」


 たぶん?いろいろ考えていたのが無駄になったのと、明らかな「敵」としてモンスターの存在に今は向き合いたくないのだと思う。


「こ、これは何かわかるかな?」


 アリオト艦長は未だ、目の前に出ている物の理解が出来ず、こちらに助け舟を求めてきた。

 ユキが私に寄りかかったまま、アリオト艦長に目線を向ける。おう…、ひんやり〜


「それは、この世界にここに住むことを認めて貰えた~…。って思っておけば大丈夫だよ~」


「これがですか…」


 いまいちパッとしてない艦長と、その後ろでいろいろつついて遊んでいるヒイロさん。

 今後を大きく左右する決まりを決めた途端これだ。アリオト艦長はユキの方に注目していた。


「それは私たちが使っている。力や遠方との連絡手段。名前は…。ないけど~」


「これが力?では、私共もユキ様のごとくこう…。いろいろ手から出したり、モンスターを氷漬けにできるので?」


 ヒイロさんは、そうユキに問いかけるアリオト艦長の言葉を聞いて。もしかしてできるのでは?と思ったのか。手を前に出して、えい!えい!とやってみたりしている。

 でもスキルを持っていないので出るはずもなく。自分のてのひらを見ながら首をかしげていた。



「今から説明するよ~」



 このゲームのシステムがNPCに適用されたということで、ほとんどスキルを使えるであろうと推測したユキが艦長とヒイロさんにシステムについて説明していく。私にしてくれた説明と同じだね!


 長い時間。質問やメニュー画面を実際につついてみたりと、そんな作業も一緒にしていたので結構な時間がかかったようである。時刻を見ると、もうお昼時となっていた。


「なるほど、このシステムについてはよくわかった。…しかしそうなると我々がその、スキル。と言うやつが使えるかどうかだな。もし良ければ、このヒイロをしばらくの間一緒に連れて行って試してくれないだろうか」


 全ての説明を終えて、アリオト艦長がそう提案する。それを聞いたヒイロさんは少し嬉しそう。今までにないスキルという力に興味津々なようだ。


「それもそうだね~」


 ユキもこれには賛成のようである。


「少し待ってください。私たちはプレイヤー。なので唐突にこの世界から一旦いなくなってしまうことが多々あります。その時ヒイロはどうするのですか?」


「あ〜、確かに。その時ヒイロは1人になっちゃう可能性があるのか~」


 確かに私たちは現実にちょくちょく帰らなければならない。というかあっちが本物なのだから当たり前である。しかし、NPCのヒイロさんはゲームのキャラであることに違いはなく。そのままずっとゲームの世界にいるため、私たちがログアウトすると1人になってしまうのだ。



「なぁ?ギルドホームを買うのはどうだ?そしたらそこにいてもらえるだろ?」


「あ〜、なるほど!確かに買うつもりではいたからそれはいい案かも~」


 すかさず、ミカちゃんが案を出してくれた。


「ヒイロはそれでいいか?」


「はっ!」


 あちらも大丈夫のようである。


「じゃあ~、一旦ログアウトしようか~?ご飯食べないといけないし~、ギルドホームはこの後購入してヒイロさんが生活できるよにしないといけないしね~」


「わかった」


 そうして、今日のこの後の予定を立てたあと私たちはログアウトしていく。





「本当に消えたな…」


「はい…」



 ログアウトしていく様子を、アリオトさんはとヒイロさん達は不思議な様子で見送った。




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