V1.09 モンスターミサイル
現在私たち「リリース」の面々はノアにて話し合いをしていた。ミカちゃんは現在、大規模戦闘システムがあるらしい闘技場東側ゲート付近から、少し寄り道しながらノアに来ているらしい。
EPが空っぽになったから、エネルギータンクで補充しながらくるんだって。
ちなみにアプデ後は〔電力〕を保持していなくとも誰でもそのエネルギータンクというものが見えるようになったとか。私はまだ見てないけどわかりやすい見た目をしているらしい。
閑話休題
あれから司令室らしき場所?から再び応接室に案内されていた。
「
応接室に入り、アリオト艦長含む全員が着席した後、紅茶が配られ一息ついたあとに、あるらためて艦長に礼を言われた。
「それほどでもないよ~」
「モンスター弱かったしな」
「ほとんどユキとナユカがやったのですわ…」
モンスターはほとんど陸上で近接武器振り回してるだけだったからね?空から弾幕放ってたら誰でも倒せるよ。
逆に言えば今回は木星圏内のプレイヤーの方が難しかったんじゃないかな?ほとんどスキル無し、武器無しの戦いでよく勝てたね?
「君たちにはまず、なぜ我々がこの星系にやってきたのか。なぜ攻撃を受けているのか話そうと思う」
そう言ったアリオト艦長は私たちに事の
簡単に纏めるとこうだ。
・我々はとある星系で文明を
・しかしある時。星にモンスターが現れ始める。
・何とか対処しようと武器を持ち奮闘するもどこからともなく湧いて出てくるモンスターに対応しきれずどんどん人口が減っていった。
・最後の手段として生き残った同胞たちをかき集め、星系を飛び出し逃亡。
・1年間宇宙を潜航し、資源が多いであろうこの星系にたどり着く。
・しかし、逃げた先でも執念のように攻撃が止まず。
・この星系に近づいて来た時に後ろから飛んできたモンスターに逃げていた艦隊に衝突。
・それぞれがバラバラにこの太陽系に不時着することとなった。
・その時にモンスターの攻撃もこの太陽系にふりそそぐこととなる。
・モンスターの攻撃手段はいわゆる生物兵器なようなものであり、ミサイルの中にモンスターを生み出す装置がある。
・着弾と同時に、広範囲にモンスターを一瞬で出現させる。
・敵の攻撃を喰らった時に、艦内にもモンスターが湧き。応戦することで難を回避したが、その時に艦の大半の機能が壊れてしまった。
・現在その復旧作業中。
というのが大まかな説明だった。なかなかにスケールの大きいお話で。
あと、生物がいることは確認できていたが、まさか自分たちと同じように文明を構築できるほどの生命がいるとは思ってもおらず、巻き込んでしまい申し訳ない。とも言っていた。
まぁ、これはゲームだから。
「それでこれからのことなのだが…」
「まだ、敵の攻撃が来る可能性は高いのかな?」
ユキが質問したことにアリオト艦長は嘘はつかないらしく。苦い顔をしながらもある。と答えてくれた。
「まぁ~。こちらは相当戦力があるから~。心配しなくていいよ」
「そういえば空を飛んだり、なにか攻撃を単身で出したりと、我々にはない技術でしたな」
あー。スキルのことかな?でもスキルってここじゃいっぱいそこら辺に落ちているよね?オーブとして。
これってもしかしてアリオト艦長達もオーブ取れるのでは?
「ねえ?ユキ」
「何となく言いたいことはわかるんだけど~…。果たしてそれがいいのかどうか判断中かな?」
あ、ユキ同じこと考えてたっぽいね?
「そもそもオーブを取れない可能性もあるんだがな?w」
「どうする~?」
一旦、全員に意見を聞くみたい。
「私は試してみたいですね。動画で結果など共有出来れば、それだけ他のプレイヤーがこの件に関して協力的になってくれる可能性もありますので」
「俺は早めにNPCは育てておいた方がいい気がするな。だって黒龍クラスが来てみろよw?な?」
それは確かにやばいね。
「私は教えてもいいと思いますわ。ただこちらが一方的に教えるのはおすすめしませんわ」
うん。それもそうだね。
「ナユカは?」
「私?私は教えるに賛成だよ。敵じゃ無さそうだし」
まぁ、理由はなくて感で言ってるんだけどね?
「じゃ~。全員の意見を実行してみようか」
「話は済んだかな?」
私たちがまとまったのを見て、アリオト艦長が話しかけてくる。たぶん話しかけるタイミングを見計らってたんだろうね。
「うん。まずアリオト艦長の言ってた技術について。あれを教えるのはやぶさかではない。が、こちらもなにかそちらにしかないものをお教え頂きたい。というのが私たちの見解かな~?」
ユキの提案にアリオト艦長は少し考える。
「それは…、何をそちらに提供したらいいのだろうか?」
「そうだね~。こちらもそちらに対して、戦闘技術や飛行技術について教えるから、そちらもこの船のこととか、戦闘技術について教えて欲しい」
おおー。結構大胆に出たね?でも戦闘技術とか普通教えてくれないんじゃないの?
「戦闘技術…か。少し難しいな。我々も命がかかっているのでね…。すまない」
あ、ほら。断られた。
「じゃあ〜…。あなた達が安全に暮らしていける土地を提供し、私たちとこの星系で共存するなら?」
「!?」
ユキが提案したことに驚く艦長。確かに住む土地はいるね。それに食料とかの問題も向こうは有るし。
「通信ができる艦と確認してからでもいいだろうか?」
「いいよ~」
「すまないがすぐに確認してくる。ヒイロこの方たちを歓待して差しあげてくれ。くれぐれも失礼のないように」
「はっ!」
そう言って艦長は応接室を急ぎ足で出ていった。
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