依存症爺は転生してパチスロ無双に成れるのか?。

日前みかん

第1話くそっ今日こそは勝ってやる。

この物語を読む前に御注意下さい。

新型変態ウィルスに感染のおそれが有ります。

御留意を。


────────────────


最近パチスロで負け続けている爺、蛭田有海(ひるたあるみ)は、今日こそは最近導入された新台、〔ゴーレムは後ろから前からお好きにどうぞ〕で勝とうと意気込んでいた。


だからね、朝から並んだよ。

スマホ抽選なのにね、馬鹿だね。

「へっぷし」

寒くて風邪を轢いたみたいだ。

「くそっほんまに世話無いわ」


ちいと頭がクラクラするが、まあベッチョ無いわな。

そう思っていた。


抽選は256番・・・スロットルは250台である。

「何でや、女神も糞もおらんがな」

そんな暴言を聞いてスロットルの女神が怒りでもしたのだろうか?。


「えかったわあ、空いとるわ」

1台だけ狙いの〔ゴーレムは後ろから前からお好きにどうぞ〕が奇跡的に空いていたのだ。



コインを3枚入れ、蛭田はレバーを叩いた。

ピキューン、キュインキュイン。

ブシュッ!?。

「ぷヘっ!」

蛭田は珍妙な声を上げた。

何と!、五十万分の一なるプレミアフリーズボーナスが朝イチ1回転目で当たってしまったのだ。


蛭田有海は興奮した。

漏らした(内緒だ)

屁が出た実も出た血も出た。(内緒だ)

だけど興奮し過ぎて血が出たのは脳内だった。

蛭田は倒れた。



「恥ずかしいです」

有海は真っ暗なと言うより真っ黒な世界にいた。

そして目の前には女神が、〔ゴーレムは後ろから前からお好きにどうぞ〕のパネルの絵的な、蔑む笑い含みでスロットルマシンの上から蛭田有海を見ていた。

『ほう恥ずかしいか、何でかのう』



穴と言う穴から体液や固形物を出して倒れている蛭田が、救急車に乗せられている画像が映し出されているのだ。

いくら好きな事で死んだとはいえ、恥部の極みだ。

まだ腹上死の方がましだ。

同じ快楽の果ての死でも蛭田有海の死は恥辱にまみれていた。

『でも死とは汚いものなのよねえ。ふふふ、それにしても汚い死に方ね』

蛭田有海は俯くしか術がない。



『あはは、そんな惨めな貴方に異世界に転生させてあげるわ。15の成人の日に前世の記憶が甦るから、楽・し・み・に・してね。くっくく』

『それからチートなスキルもあげるわね。お好きにどうぞ、くっくく』



「アルミ、成人おめでとう」

「ミュウこそおめでとう」

「ありがとっ、でアルミは村に残るの?」

「うん、町に出ても今は職が無いみたいだからね。家の農業を手伝うよ。ミュウは町の裁縫屋かい」

「まあね、うちにはそれしか無いからね」

「そっか、淋しくなるね」

「町に来る事があったら遊びに来なよ」

「うん、そうする」

本当はアルミはミュウに淡い恋心を抱いていたが、ミュウにはその気が無さそうだったので、アルミは少し残念そうにミュウを送り出す事になった。



そんなアルミは15の朝にバイクなど盗もうにも、バイクなど無い世界で有る。

だけど女神からチートなとてもチートなスキルを貰っていた。

・・・これどうしろと?。

チート言うよりちいと邪魔なスキルやんかさ。

ミュウを俺に惚れさす魔法とか来れよどうせなら。

アルミは前世でも今世でもモテた事が無かったのだ。

ああ、知ってますともモテない事ぐらい。


雨が降って畑仕事もままならないある日。

アルミはステータス画面を前にしてパチスロをしていた。

コインの貸し出し対価はアルミの自慰一回につき、五千枚であった。

アルミはこっそり畑の小屋裏の軒でそれをした。

そして裏の小川で手やその他を洗うと足早に家に帰った。

馬小屋で身体を乾かすと称してそれを実行したのだ。

「ったく、なんちゅう恥ずかしい対価だよ」

『気持ち良さそうにしたくせに』

アルミは女神の声にビクッと反応すると、見られていた事で顔を真っ赤にした。

「この変態女神!」

『くっくく、あーはっはは』



週に5回は自慰をするアルミと成り果てたのは言う迄も無い。



アルミはどうしたものかと困り果てていた。

スロットルマシンから3万枚も出てしまったのだ。

これでは自慰をする必要が無い。

「いやちゃうからそれ!」

後ろから前からお願いモードと言うのに突入すると出るわ出るわ。

最後にキヤラの可愛い娘が「一杯出たね」で終了となった。

「何が一杯出たんだようぅ~」

声に出したらもう完全な変態である。


もっと変態なのはアルミで、完全にそのナツと言うキャラクターに恋をしてしまったのだ。

それからはオカズはもっぱらナツである。

もう完全な変態と化した。

モテない男の悲しいスロット異世界生活と成った。


「えっ、西大陸の硬貨なんですかこれ?」

『そうじゃ、こちらでも両替出きるぞ。但し銀の含み量が違うから、日本円なら1枚千円かのう』

「えっと、3万枚だから3000万円!?。エー」

『ちなみにお主が自慰で出したコインは何の価値もないから、自慰で金持ちには成れぬぞ』

「確かにスロットルのコインと、自動枚数機のコインが違いますよね」

「でもコキまくったら・・・」

『お主が死ぬな。3回で。そのコインはお主の精気でできておるからな。コキまくれば精気が失せて死ぬ』

自動枚数機に入れて換金すればと思ったが、3回もやれば死ぬと言われては怖くて出せ無い。

だが子作りで出す分には大丈夫らしい。


確かに腹上死だと洒落にならないです神様。


かくしてアルミの間人な、いや、怠惰なパチスロ自慰生活が始まるのであった。


────────────────

『あなた間人ですね』

『いえ、私は城崎です』

あー、蟹食いてえ。


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