第72話・最悪な寝覚め
エルダーゴブリンジェネラルを討伐した後、目覚めた冒険者達は東の洞窟内で発見した隠し部屋に有った大量の金銀財宝と時知らずの特大魔法袋の中から発見した数々の物資を気絶したアリシアの前に積み上げた。
そして、仕事が一段落した冒険者達は避難民達が居た洞窟とは別の穴に放置された商人の馬車に載っていた特大の魔法袋と時知らずの特大魔法袋に入っていた大量の高級な酒や食料を発見するに至る。
最終的にエルダーゴブリンジェネラル追撃の際の強行軍による戦闘の疲労と、普段は口に出来ない位の高級な酒の肴と高級な酒の飲み過ぎで鉄級ランク冒険者達は再び次々と撃沈していった。
その頃、ゴブリンジェネラルの巣穴周辺の魔物の森では…
「ギャギャ?」(あれはなんだ?)
「ギィギャギィギャ」(ゴブリンジェネラルだ!)
「ギャギャギャギャ!」(逃げろ!)
「アォーーーーーン!」(みんな逃げるぞ!)
「ブヒブヒ!」(お助け~!)
その後、夜通しバカ騒ぎを続ける冒険者達に色々と勘違いして恐れをなしたモンスター達は遥か遠くに逃げ、冒険者達は酒の飲み過ぎで次々と折り重なるように酔い潰れた。
ちなみに全員何故か真っ裸である。
死屍累々、ゲロと小便と酒の匂いが漂う静かな森…(悲惨)
静寂が支配する森に冒険者達の化物じみた凄まじいイビキが響き渡る。
「ぐごおおおおーーー! 」
「ふがふが……」
「ギリギリ……ギリギリ……」
その後の翌日早朝、疲労からようやく回復して日の出る前に目を覚ましたアリシアが見たのは自分の横に置かれた金銀財宝の山と、洞窟前の広場で泥酔して折り重なり転がる裸のオッサン冒険者達である。まさに死屍累々といった感の冒険者達であった。
エルダーゴブリンジェネラル討伐でのレベルアップと、その後の生命力をマナ変換しつつの治癒魔法の行使などからの極限状態からの復活でアリシアの肉体的なステータスや見た目の良さや身長は異常に成長したが、ちょっと背伸びしててもアリシアは十歳のお子様であり、オッサン達が裸で抱き合って寝てる姿を見て声をかけるタイミングが分からなくなる。
(えっと? 皆さん、何があったんでしょうか?師匠)
《あー、なんか連中一晩中宴会しとったな》
(宴会ですか? 何故、みなさん裸なんでしょう?)
《知らんよ。アリシアはあーはなるなよ?アレは駄目な大人の見本だしな。一つ言っとくと呑むなら酔うな、酔うなら呑むなって話だ。アリシアもポンチョの酒場で甘い果実酒とか呑んでやらかしそうだから先に言っとくぞ》
(私は絶対に脱ぎませんから! )
《当たり前だ。お主の場合は酔ったら宴会芸で色々とやらかすから心配しとるのだ! 》
(え~と、それは……やるかも……)
《はあ、エレノの冒険者達は頭が緩いし人柄も悪くないから良いが、これから先はそうはいかんぞ? 分かったか? 》
(分かりました。でも、これはどうしましょう)
《アリシア……あまり汚いモノを見てはならん。また倒れるぞ》
(それは気をつけますが……皆さん寝てるみたいですし見回りしてましょうかね)
《そうだな、こやつらは……この危険な魔物の森で宴会して泥酔するとは肝が据わっておるのか馬鹿なのかよく分からんな……さすが冒険者か》
それから数時間、裸の鉄級ランク冒険者が起きるのを見回りしつつ、ひたすら待ち続けたアリシアは男衆達の組んず解れつな色々と見てはいけないモノを見てしまい、それがエルダーゴブリンジェネラル戦の緊張感よりも堪えたようで冒険者達が起きるまで顔を真っ赤にしていた。
その苦行により、新たに精神耐性スキルを入手したアリシアは周囲の見回りをしつつも、冒険者達のアレコレを見て、ひたすら頭を抱えて悶える。
そして、太陽が出だす頃には鉄級ランク冒険者達が目を覚ましだした。
良くも悪くも冒険者の身体に染み付いた習性で、朝一でギルドに貼り出される依頼を漁る為に次々と起き出した冒険者達は自分達がエルダーゴブリンジェネラルの討伐に来て散々な目に遭った事を思い出し、二日酔いながらも自分達のリーダーで有る重傷のアリシアを探すが、自分達の近くで先に目を覚まし周囲の見回りをして起きているアリシアを見て喜んで駆け付けた。
「おっ、魔法使い殿!起きたんすか?」(目が覚めたのか)
「はわわわわわ……」バタンキュー
《こやつら……ほんと何してんだ? ここは魔物の森だぞ?って、アリシア?おい、大丈夫か?》
アリシアは裸のオッサン達が駆け付ける悪夢のような光景で精神耐性のレベルがアップする。
「おっ、魔法使い殿!じゃねぇわ!お前ら下を隠せ馬鹿野郎!」(お前、服着ろよ!)
「うおっ!?なんじゃこりゃ~!誰か俺の服!魔法使い殿大丈夫ですか!」(俺、まっ裸やんけ!)
「は、あうあう……」バタンキュー
《あー、これはいかん。アリシアの精神が保たんかも……》
裸の筋肉ムキムキ冒険者のぶらん♪としたモノを見て失神したアリシアは再び精神耐性がレベルアップする。
「うぅ、気分が…」ゲロゲロ…
「お、おう?なんじゃこれ?」(何故に裸?)
「あっ、魔法使い殿、大丈夫ですか?」(起きましたか…)ぶらん♪ぶらん♪
「ひぃ!?」バタンキュー
《この馬鹿共、さっさと服を着ろと言いたいが……俺が外に出るわけにはいかんし、こりゃーアリシアの精神が真面目にヤバいな》
師匠が思う通り、アリシアの精神はあまりの恥ずかしさで精神耐性スキルが急激にレベルアップする位には混乱していた。
今後も頑張って更新していきますので、ここまで読んで面白い!続きが気になると思っていただけたら、小説のフォローや下の↓♥、レビュー★★★などお願いします!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます