ガチャ!

@noberu

第1話 部屋

「もうあなたとはルームシェア解消よ」


優香は遂に頭にきたようだ。


優香は約半年前から愛菜とルームシェアをしている。


愛菜の両親は厳しい人らしく、愛菜は一人暮らしを許してもらえなかった。


しかし、愛菜はどうしても親元を離れて生活してみたかった。


そこで思いついたのが友達とのルームシェアというアイデアだった。


一方、優香も一人暮らしをしたいと思っていたが、お金が割とかかりそうだと思い、躊躇していた。


いつか一人暮らしをしてみたいなぁと何となく思っていた中、愛菜からルームシェアの話が提案されたのだ。


優香は元々物事を深く考えるタイプではなかったので、ノリで共同生活を始めることにした。


やはりというべきか、この流れは当然予想されたことだった。


優香の先輩の麗子はルームシェア解消はかなり前から予見していた。


「麗子先輩!聞いてくださいよ!」


麗子はまた始まったと思った。


優香は毎度のように愛菜との共同生活で発生したストレスを麗子に吐き出す。


「優香ちゃん、どうしたの?」麗子は聞きたくもない話を聞こうとした。


「また、愛菜が面倒くさいんです。昨日も私の行動にあれこれ難癖つけてくるんです。自分だってちゃんと出来てないのに、『優香の為を思って…』とか言ってくるんです」


「その『優香の為を思って…』ってちょっと嘘くさいよね?」


「やっぱりそう思います?絶対私の為じゃなくて自分の為ですよね?」


「うん、そう思うよ!絶対そう!」


麗子は自分の保身の為に優香の完全なる味方になった。


こんなことやっても良いのか、彼女の為にならないのではないかと感じながらも麗子はそうするしかなかった。


以前、優香に反論したら、その後、非常に機嫌を悪くし、収集がつかなくなったからだ。


それ以降、麗子はずっと優香の完全なる味方を演じている。


「あーやっぱり、麗子先輩はわかってくれる!」


優香は自分の正しさが証明されて気分が良くなった。

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