第2話君はもう洋ナシだ!1

とある街で、とある洋ナシが歩いていた。

「はあ…。」

一瞬誰もが目を疑うだろう。疲れているのかと目を擦るだろう。食べ物が歩いているのだ。

夢だろうと思って頬をつねるだろう。それほど信じられない光景だった。だが、ちゃんと痛いはずだ。

何故なら、これは、現実なのだから。

「どうやって解くんだよ…。この呪い…。」

そう。この洋ナシは、もともとは人間。呪いで洋ナシになった。

だが、そんな事は、パーティーメンバー以外知らない。何故なら、魔王に殺されたことになっているのだから。


「プククッ!」

「面白かったよねえ!」

「今頃食べられてんじゃねーの?」

パーティーメンバーは、爆笑していた。

それと同時に、狂喜していた。

彼らは皆、リーダーのソラストのことが嫌いだった。

何故なら、彼はパーティーメンバーに面倒くさいことをさせるからだ。

報酬の釣り合わない貧しい村を助けたりだとか、報酬なしで人助けをしたりだとか。

これは、助けられる方からしたら有り難いことなのだが…。

「自分さえ良ければいい」という考えのパーティーメンバーには、受け入れられない考えだった。

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