第4話 スキル

「います…グラス様…おはようございます。ダグラス様。」




俺はセシリアに起こされた。




「お着替えをした後、朝食ですので支度をしましょうね!」




そう言って俺の着替えを手伝い、食卓へと連れていってくれた。


そこには父、母、アドルフ兄さん、テュール兄さん、ノンナ姉さんがすでに座っていた。




「おはようダグラス。よく眠れたかな?」




アドルフ兄さんが優しく話しかけてくれた。




「あぁう!(うん!)」




そう言うと、家族みんなが優しく微笑んでくれた。


これだけで俺は異世界転生できたことを嬉しく思った。


楽しく朝食を終えた後、俺はセシリアに自室に連れて行ってもらった。




そして一人の時間が訪れた。




この世界で生きていくためにいろいろな知識を付けていこう!そう決意した。




手始めに賢者の石を使ってスキルについて学ぶ。




スキルには魔法スキルと武技スキルがあり、魔法スキルはMPを、武技スキルはTPを消費して発動できる。




MP上限はLvUPするかMPを0まで消費することで増えるようだ。


後者のほうが簡単にできるが、MP0の状態は途轍もなくつらいらしい…


TP上限はLvUPすることで増えるようだ。




MP、TP、SPいずれもLvUP時に獲得できる量には規則性があり、一律LvUP後のLvの数値×5であるようだ。


(例:Lv.1→Lv.2になったとき 2×5=10 よってMP、TP、SPいずれも10増える。)




魔法スキルは主に火、水、風、土、光、闇、無属性の7つの属性から成っており、例外として精霊魔法や召喚魔法などがある。




武技スキルは体術、片手剣、両手剣、細剣、短剣、斧、槍、棍棒、弓など様々な種類が存在する。




また、スキルは先天性の「ユニークスキル」と後天性の「スキル」に分かれており、後者には2種類ある。




1つ目は火属性魔法のファイヤーボールや片手剣スキルのスラッシュのように独立しているもの。


これはSPを消費することよってのみ習得できる。




2つ目は魔力探知や剣術のようにS~Fでランク性になっているもの。


これは習得条件を達成するか、またはSPを消費することによって習得できる。




2つとも習得方法に例外がある。


それは、ダンジョンや遺跡などで稀に発見されるスクロールだ。


モンスターを倒した時のドロップや宝箱などから入手できるらしい。




F~Sランクの習得に必要なSP量は以下のとおりである。






Fランク(初級者レベル)        →SP5消費



Eランク(初級者以上中級者未満レベル) →SP10消費



Dランク(中級者レベル)        →SP30消費



Cランク(中級者以上上級者未満レベル) →SP50消費



Bランク(上級者レベル)        →SP100消費



Aランク(師範レベル)         →SP300消費



Sランク(英雄レベル)         →SP500消費





仮に何か1つのランク性スキルですべてのランクをSP消費で習得するとなると、SPは合計995必要になる。




魔法スキルを使えるようになるためにはまず体内で循環している魔力、すなわちMPを感知できるようになる必要がある。




俺は早速魔力の循環を感じることに努めた。




数十分後、体内に血液のようになにか温かいものが循環していることに気づいた。




『これが魔力か。心地いいなぁ…』




そう思っていると、「ピロン!」と機械音のような音がした。




『ステータス』




心の中で唱えステータスウィンドウを見ると、今まで「なし」になっていたスキルの欄に無属性魔法Fー魔力探知という表記が増え、魔力探知という魔法を覚えたようだ。




どうやら無属性魔法Fの習得条件は体内の魔力の循環を感じることだったようだ。




武技スキルも同様に、まずTPを感知できるようになる必要があるが、TPはシステムアシストのようなものであるため動作中でしか感知できないようだ。


よって、今は諦めよう。




『ひとまずスキルについて十分学べたし、これからの方針を決めよう。』




そう思い、俺は1日熟考することにした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る