第97話 見栄


自分のプロフィールを見て気付いた。

『一般家庭に生まれ 普通に育ったうつ病闘病者』

…こんなの最後の部分以外、嘘だらけだ。

私がうつであることは紛れもない事実。

でも私の育った家庭は 一般でも普通でもないことは最初からわかってたはずなのに。

この時はまだ、自分に対しても他人に対しても見栄を張っていたかったんだろうな。

その見栄も、もう取り繕う体力なんてない。

そうやって自分の気持ちに蓋をしていても、自分が辛いだけだった。

誰かから見た私なんて関係ない。

まずは私がどう思ったかを、私がきちんと認めなければ何も進まない。

私の首を絞める見栄なら、いらない。

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