第46話 なやみごと


休職したばかりの頃の私は、ひとつ悩み事があった。

それは私の職場の同僚でもあり、学生時代からの大切な親友のことだった。

私たちはお互いがとても親密な友達であると認めあっている程度には仲良しだった。

いつでも一緒というベタベタした関係ではなかったし、ぶつかり合うこともあったけど間違いなくこの人生でトップレベルのソウルメイトだった。

彼女と過ごした時間は私にとってかけがえのない宝のようなものだ。そしてこれからも疎遠になどしたくない縁のひとつでもある。

そんな友達に、わたしは嫌われてないか心配だった。もちろん休職した程度で離れるような人ではないと分かっていたが、心身ともに弱りきっていた私は悪い想像しか出来なかった。かと言って親友に自分から連絡することは申し訳なさ過ぎて出来なかった。


そんな中、私を心配して親友は連絡をくれた。

調子はどう?心配してるよ って。


何度か他愛ないやり取りをした後に、私は


迷惑かけてごめんね

本当に申し訳なく思ってる

友達でいられなくなったらどうしようと思ったら連絡できなかった


こんな情けなく面倒な胸の内を明かした。

それでも親友は…

そんな事ない!ずっと友達! と言ってくれた。

嬉しくて、ほっとして…わんわん泣いた。

私が至らないせいで嫌な思いをさせたこともあるのに(本当に申し訳ないし今はそんなことしない)こんなに暖かく受け止めてくれる友を得られた人生に幸せを感じた。正直それだけで生きていけるくらいはある。


親友とは今も付かず離れず連絡を取り合っている。

主になんでもない身の上話だけれど、それが私たちの会話の主成分なのでお互いこうして面白いことを報告しあっている。

また元気に2人で遊び回る日が楽しみだ。

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