第27話 ほんとうの きもち
私は何かを作ることが好きだ。
イラストや手芸は時間を忘れて楽しめる。
音楽は…知識はないがやってみたい。
幼少の頃はそれこそ、イラストレーターや漫画家になりたかった。
でもこの世界でそれを仕事にして食べてゆける人は、本当に才能があるか血の滲む努力をした人か。要するにたったひと握りだった。
そして私は大した才能もなく死ぬほど努力したこともなかった。
いつしか私はその道を諦めた。
親や先生、世間にやめておけと言われたのも大きかった。
辛い思いをしたくなかったのだ。好きなことのために神経や命を削るような生活をしたいとは思えなかった。
そして私は普通の仕事に就いた。
趣味は趣味で楽しめばいい。
それもいつしか破綻した。
気付いたら楽しいと思うこと自体難しくなっていた。
…もうここまで来たならば。
好きなことをしなくてもこんな風になってしまったのならば。
思う存分、やってみてもいいんじゃないか?
決死の覚悟かもしれない
いい選択じゃないかもしれない
それでもいい
これが最後かもしれないなら
もう一度、なりたかった自分に手を伸ばしても
それくらいは許されるのではないだろうか。
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