第26話 傷

自傷行為。自分で自分を傷つけること。

多くの精神病患者や、今を悩む者がやめなければいけないのにやめられないと悩んでいるのでは無いでしょうか。


かつて私も自傷行為をしていました。

私は右手が利き手だったので、左腕にカッターで切り傷を作るのが多かったなあ。

たまに趣向を変えて刺してみたり、手の甲に無数の小さな注射痕のように傷をつけてみたり、色々しました。

親に発見された時は泣かせてしまったものです。

不孝者でほんとうに申し訳ない。


私のことは一旦置いといて。

その傷跡は時に 白い目で見られて辛いでしょう。

頭がおかしいとか メンヘラだとか 構ってちゃんだとか… 何も知らないくせに分かったような言葉で傷ついてきましたね。

やめなきゃって 何回も誘惑と戦いましたね。

でもやめられない。痛いのに、痛々しいのに。

その度に自分のことがまた嫌いになったでしょう。

半袖の季節が大嫌いになったでしょう。

それでも流れる血だけが 私を癒してくれた。


気休めかもしれませんが

私は自傷行為は、ダメな事だとか

やめなきゃいけない事だとか 思いません。

それも含めて、あなたです。

あなたの傷には 理由がある。

よく頑張りました。よく頑張っています。

そんな脆い 弱い そして強いあなたの傷ごと愛したい。

辛くて悲しくて苦しくて、たくさん泣いたでしょう。

その涙でも足りなかった苦痛を あっち側の人間が…分かるわけないですよね。


なんで自傷行為をしてしまうのか。

私は、その人が必死で戦って足掻いて もがいた証拠だと思っています。

確かに褒められた行為ではないかもしれない。

でもそんな綺麗事で済んだら誰も自傷なんてしない。

その戦いの痕跡は 時に好奇の目に晒され

なんだか恥ずかしいものに思えるかもしれない。


そんなことないよ。

他の人からは見えなくしちゃえばいいよ。

それだけでいいんだ。見せびらかさなければ。

あなたが頑張った 戦った証。

あなたが1番大事にしてあげて。


今は無理かもしれない。

まだ戦いの最中かもしれない。

過去のことにはできない人もたくさんいる。

私だって、終戦した今でも再発しそうな衝動がある。


終わる時は 理由は 人それぞれだから。

辛く長い戦いに いつかその時が来るように。


わかってくれる人 私がいる。

それだけでも知っていてね。

辛い時は 思い出してね。

同じ想いを わかってくれる人は いるよ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る