第4話 臭いカースト
「パパくさい!」
自分の娘にこう言われる。
漫画などではおなじみのシーンである。
私にいるのは息子だけで、残念ながら娘はできなかった。
しかし自分の子に臭いと言われて邪険に扱われることはない、それだけは良かった。と、そう思い込んでいた。
なのに、だ。
「父さんくさい」
と、男の子であろうと子供にはそう言われてしまうのだと、ショックを受けた。
そんな息子も中学生に入った途端に
「獣臭がする」
と妻に言われるようになる。
ほらみろ、同じ血筋だからお前も私と同じ匂いになるのだよ、とその時はほくそ笑んだ。
しかし獣臭のするその息子よりも、まだまだ私の方が臭いらしい。
息子にも邪険に扱われてしまう。
これでは百獣の王ライオンではなく、獣臭の王である。
こうして私はまだ家庭内で、臭いカーストの頂点に君臨している。
…底辺ではない。
けっして。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます