終わらない奴隷
僕の最初の記憶
それは涙を流して僕に何かを言っている女と薄暗くて湿っぽい場所だった。
「**€€%°##〆^-」
何を言ってるのかは理解出来ない。
ただその女が僕に謝罪している事は分かった。
その女に手を伸ばそうとするが思うように体が動かない
なら声をかけようと思い声を出してみるが
「あーーうぁーあー」
声が声にならない。
どういう事だ?
過労で死んだよな?
もしかして一命を取り戻したが後遺症が残っているパターンか?
だとしたらこの女は誰だ?
何故この女に抱えられてるんだ?
落ち着け、冷静になろう。
今わかっている状況は誰かわからん女が泣いて僕を抱えている。そしてこの女は僕に謝罪しているように感じる。
あと体の自由が効かない。声も出ない。
あれ?これつんでね?死んで解放された喜びからの現実引き戻されてもっと酷い状況?
・・・いや、あり得ない。
仮に死んで無かったとして危機的状況だったはずだ
そんな病人をこんな薄暗くてじめじめした場所に放置するか?
なにがなんだかわからない。
取り敢えず情報収集が必要だ。
あれから一月が経過した。
どうやら僕は生まれ変わったらしい。
どうやらあの泣いていた女は僕の母親らしい。
そして僕に父親はいない
と言うかこの生活スペースに男がいないのだ。
いるのは数人の女と子供だけである
男は毎日、女達を連れて行く男だけしか見たことがない。
恐らくだがこんな環境に産んでしまった事を最初の夜、母親は謝っていたのだろう。
そう、僕の転生は父親不明でこの監獄のような場所から始まるようだ。
普通転生って高貴な家に生まれたり、女神にチート能力授かったりとかじゃないの?
そう、僕は死んだ
そして僕は死んだ時やり直させて欲しいと神様に願った。
だがこれは違うだろ。
一年程経過した。
ハッキリ言おう、ここの生活は最悪だ
大部屋で女7人と子供5人が共同生活をしている
女達は恐らく朝に奥の扉から入ってくる男に連れ出されて夜に帰ってくる。
恐らくというのはこの部屋には窓がないのだ時間を表すものも何も無い。
なので男が来る時を朝と勝手に決めた。
そして女達が連れ出されると僕たちの面倒は年嵩の子供達が見てくれる。
とは言っても10歳と8歳くらいの少女達だ。
他は僕と同じくらいの子と3歳くらいの女の子だ
初めの頃はそんな子達にいい歳して下の世話もされて泣きたくなった。
だがそんな生活も1年続けていればわかる事はある。
まずこの場所、灯りはカンテラのようなもので照らされ電気は通っていない。
部屋数はこの大部屋の他にはトイレと水浴場があるのみ。
この水浴場どういう理屈か分からんが上から水が流れてきて大きな浴槽のような場所に水が溜まっていく。
ここから飲水や生活用水を確保するのだ
そして食事は朝、男が来る時にパンを置いていくそして夜女達がスープとパンを持って戻ってくる。
その繰り返しだ
そう僕は生まれ変わっても奴隷だったのだ
だがこの世界で唯一嬉しいこともあった地球では無い!
3歳くらいの女の子。彼女には尻尾と耳が付いているのだ!
興味本位で引っ張ってみたら本物だった。
猫耳娘だ!獣人だ!
もしかしたら魔術とかも使えるのだろうか?
そういった妄想だけが生後1年の僕の心を支えていた。
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