私、夫に殺されました 著:御角
夫の殺人を暴くため、元妻達が今立ち上がる!
さて、いつもの前座から。
本作は浮気が主題。
浮気が主題というと、カロリーが高いイメージが個人的にある。
そもそも浮気自体が人間の醜い部分をさらけ出したもの。夫婦間の地獄の様な戦いは避けられないし、それによって巻き込まれる周囲の人間関係もどんどん地獄になっていく。
読者に一定のストレスをかけなければ作品として成立しない。
根強い人気はあるが、なかなか難しいジャンルである。
まあ、もちろん明確に悪が決まっていて正義側の視点を常に追っていくのであれば、いわゆる『ざまあ系』として随分とストレスフリーな作品が出来上がる。
本作はどちらかというとそれ。
物語はもう既に浮気被害者が全員死している状態から始まる。
浮気被害者に非はなく、明確な悪として男性が用意されているという設定。
男性側に感情移入するような隙もなく、ただただ女性が復讐を成功させるのを見守るだけ。
素晴らしいシンプルさ。
短編であるため、なぜ探偵が霊感を持っていたのか、というような設定の裏付けなども語る必要はなく、男性側に致し方ない理由があったのかどうか、というのも語る必要はない。
マイナスイメージがつきがちな『ドロドロの恋愛』を扱った作品としては異例の読了感。
読み終わった後、なんのしこりもなくすっきりすることが出来る。
短編としてのメリットを最大限利用した良い作品であったと思う。
こんなものだろうか。
それでは。
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