私と世界のトラジェディア 著:冬乃こたつ/冬野冬真

 わからないこと。それはどうしようもない不安。


 

 ここから感想。という名の前座。

 驚いたかもしれないが、私の感想置き場で始めに作品に関する雑談を挟むのが常だ。

 作者名に注目してみよう。

 『冬乃こたつ/冬野冬真』

 

 ??


 最初はおしゃれなルビを振っているのかと思ったが、おそらくそうではない。

 合作なのかな? それともバクマンみたいに二人で一人?

 でも、小説だしなぁ。

 

 と思ったのでどういうシステムなのか答えてくれると助かる。




 というわけでここから感想。


 といっても、作品自体はまだ全貌が見えない。

 まあ、五部構成らしいので、一部の途中で作品の全貌が見えるはずがないといえばその通りだ。


 ジャンル『異世界ファンタジー』ホント? と思ったくらいで、それ以外の内容の感想は特筆すべき点はないかな、といった感じ。

 ただ、父との関係を描くシーンは表現がうまいなと思った。

 全体的に高い文章力で描かれているため、読むのに苦労することはなかった。



 さて、プラスなことはこれくらい。

 あとは、マイナスなことも言ってくれ、とのことなので気になった文に言及していく。


 プロローグの最初。

 これはただ私が特に気になる点、というだけなので無視してもらっても構わない。それに、プロローグの後半は指摘する点は見つからなかったので、分かっていてわざとなのかもしれない。

 

 だが、気になったので。

 前半の文末がほとんど同じで少し読みづらかった。

 いわゆる「~た」を連続して使うとテンポが悪くなる、と呼ばれる奴だ。



 調べてみると例文があったので下に置いておく。


 ◇


 文章にメリハリをつけてリズムをよくしたいときには、文末にバリエーションを持たせるように工夫します。特に、三回以上連続で同じ語尾を使用しているときには、気をつけてみていきましょう。文末を少し変えるだけでもイメージはガラッと変わります。例文で確認していきます。


<例文1>


Before

勤務中に猛烈な睡魔に襲われ、居眠りをしてしまいました。起きたら上司と目が合って、気まずい思いをしました。バレないように寝る方法を考えたいと思いました。


After

勤務中に猛烈な睡魔に襲われ、居眠りをしてしまいました。起きたら上司と目が合って、気まずい思いをしました。バレないように寝る方法を考えたいです。


 ちがいは一箇所だけ。最後の文の文末が「考えたいと思いました」から「考えたいです」に変わっています。


 ちょっとした変更ですが、読んだときの印象はどうでしょか。「〜ました」が三連続だとメリハリがありませんが、一箇所を別の語尾に変えるだけで、引き締まった印象になりました。


 ◇



 引用 https://buntou.jp/proofreading/end-of-sentence より。



 さて、本題に戻ろう。

 次は第一話。

 まず気になったのはセリフ文。

 

 地の文の文頭が開いていない、というのはこの企画を始めてからよく見る現象だった。これは守ってある。

 けれど、セリフ文の文頭が開いている、というのは初めてかもしれない。

 これは開ける必要がない。というか開けないほうが良い。


×

 「こんにちは」

 僕は挨拶をした。


「こんにちは」

 僕は挨拶をした。



 これは小説のルールというか慣習みたいなものだ。(濁した言い方をしているのは良く論争になるから)。

 これを守るべきかどうかはしばしば論争になるが、(このルールはそもそも文章を読みやすくするために生まれたものだから、読めればよいと主張する人がいる)私は守るに越したことはないと考えている。


 理由は簡単だ。

 小説の基本的な慣習を守らないことによって失う読者はいるが、守っていることで失う読者はいないからだ。

 

「この作品、文頭開いてないんだけど。絶対素人が書いたじゃん。ブラウザバックー

 というのはありえても

「この作品、ルール守ってんじゃん。読みたくない」

 という感想は流石に見たことがない。

 守ったほうが良いだろう。


 

 こんなものだろうか。

 


 それでは。

 


作品URL:https://kakuyomu.jp/works/16816700429624720025

作者URL:https://kakuyomu.jp/users/maguromeg

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