第3話 神様 オタク文化に興奮する
あれから幾年月、未だ辿り着く者は無く、私は見守りを続けていた。
それはふと、ある銀河の方を見た時のことだった。
私の眼に一つの星が止まった。銀河の中の太陽系の一つ、青い惑星だ。
文明はある程度高く、星の衛星や近くの惑星であれば行くことが出来るようだ。
その惑星では、多くの子供達が住み様々な国を作り生きている。
私が気になったのは、ある島国だ。
その国では、ある文化が栄えていた。
その国の子供達は想像力がとても優れていて、色々な物語を創作したり、様々な細かい見事な制作物を作ったりしていた。
軽い気持ち暫く見守っていると、私はいつの間にか夢中になっていた。
オタク文化、そう呼ばれていた。
この出会いは私の探していた、趣味になりうる物だと強く感じ、いつになく興奮した。
オタク文化は一瞬で私の乾いた心に染み込んだ。
それは、まるで砂漠の乾いた砂に落ちる一滴の水。
続きが見たい。私もロボット模型を造って見たい。あれもしたい。これも欲しい。
足りない。まだまだ足りない。
私の心は熱く燃え上がり、
次から次えと欲しがっている。
私は決めた。本来であればこの場を離れるのは正しい選択ではないが、このチャンスを逃したくなかった。
行こう。あの星の、あの国の、あの街へ。
オタク文化の聖地アキバへ。
私の心は熱くなり大声で叫ぶ。
聖地アキバよ。今から推して参る。覚悟せよ。オタク道を極めんとする同胞達よ!私と勝負だ!私の前に立ち塞がり、私がその道の頂に立つのを防いでみせよ。自分達が築いた文化を私に侵されないよう守ってみせよ!同胞達よ、想像力と妄想力を磨き研ぎ澄まし、私を唸らせる作品を創作してみせよ!
私は万が一誰かが来た場合の時を考えて、置き手紙を1通したためてから、地球に向けて出発した。
しばらくの間は申し訳ありませをが、神業を休業させていただきます。ご用の方は暫く立ってから来ていただくか、下記の惑星までおこし下さい。
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