第2話 神様 可能性の見守り
私はかつて後継者の募集を出した。
もうどのくらい前かは覚えていない。
ここ場所に来るための言い伝えや伝承を各地に残した。たどり着いた者の資質を確かめて資格がある者に面接をするためだ。
だが、どれだけの時が過ぎても面接を受けに来る者はいない。
私のいるこの聖域に来る難しいのはわかっている。
輪廻を繰り返し、魂を成長させ、殻を破り、次の段階に進化する。何度も繰り返し、自身の存在を高めれば、やがては神に至る。
極々、僅かな可能性だが。
そうして、ここまでたどり着いた資格ある者を、さらに育て上げこの座を譲る。そうすることで私は時の牢獄から解放される。
私は自由になったらやってみたいことがある。自分の趣味というものを見つけて打ち込んでみたいのだ。
今はただ、子供達を見守り、子供達が成長して私の元に来てくれるのを待つだけだ。
しかし、正直一人は寂しい。少しだけでもいい、誰かと話がしたい。友達が欲しい。
子供達の世界を見ていよう。そうしていれば寂しさは感じないから。
子供達の世界を注意深く見ていよう。可能性の種子が芽吹くのを見逃さないように。
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