美少女JKに可愛がられる怪獣少年 ―怪獣に変身できる少年に転生したけど、どうもあどけない可愛さらしくてヒロイン達を魅了にさせてしまう件―
ミレニあん
第1部 1章
第1話 目を覚ますと勇者とかに転生……ではなかった
……あれ、何か意識がある? 俺死んだのに……。
思いもよらない事態に、俺――
実はつい先ほど、ある理由で死亡してしまったのだが、それなのに意識がハッキリしているような感じがあった。
その死の瞬間に目を閉じた為、今の自分がどういった状態なのかは分からない。
「……て……」
「……?」
「……起きて」
自分を呼ぶ声が聞こえてきた。
これは……女の子の声? まるでアイドルか声優のような澄んだ声質だ。
俺は恐る恐る目を開けてみる。
すると落ち葉がまんべんなく広がった地面と、1人の女の子が立っているのが見えた
「やっと起きた。どうかな、気分は?」
美少女。そんな印象が頭によぎった。
黒く艶やかなロングの髪が目に引く。端麗ながらも少々幼さを感じさせる顔つきをしていて、まさに美貌そのものだ。
一方で、服装はぶかぶかしたパーカーにズボンと今時の女の子らしくないが、顔立ちからその魅力が十分発揮されている。
すごく可愛い……。こんな子、うちの大学じゃあんまり見なかったな。
それはもう興味津々になった。
俺はかれこれ22年間、女性と縁のない人生を送っている。こんな女の子と対面するなんて生まれて初めてだ。
「……あれ、でも何で見下ろしているんだ?」
ここで俺は違和感に気付いた。
まるで高い所から女の子を見下ろしている視線になっているのだ。足元のアリを見ているようだと言えば分かりやすいか。
「……えっ? もしかして俺が巨大化している……?」
やっと分かった。
この視線の違和感、俺自身が大きくなっているからだった。
さらに自分の身体がごわごわしているというか、まるで身体が別物になっているような感触があった。
俺は戸惑いながらも、自分の腕をおもむろに見た。
「何だよ……これ……」
どうみても人間のものではなかった。鋭い爪を生やした獣の腕……としか言いようがない。
別の生物の腕を見ていると言われた方が納得できた。しかし紛れもなく自分の腕だって事を、俺は嫌でも認識するしかなかった。
それから慌てながらも体のあちこちを触ってみた。
まず皮膚。こちらは何故か鎧のように硬い。それにザラザラしている。
次に肩を触ってみれば、まるでサイの角のような棘が生えている。
お尻にはトカゲを思わせる長い尻尾。そして顔の側面には2本の角が生えていて、口には鋭い牙。
「……どういう事……何で?」
間違いない、俺は人間とは違う生物になっていた。
その姿に困惑していると、様子を見ていた女の子が「あっ」と納得したような声を出した。
「生まれたばかりだから分からないか……。えっと、その姿は『怪獣』と言ってね。あなたは怪獣として生まれたの」
「……怪獣?」
「うん、そう」
「……えっ?」
……何の冗談……? 嘘だろ……?
さらに俺は、これまで自分がどうなってしまったのかを思い出していた。
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