No.1 蟻が示唆を与えてくれます 感想

・文章読んで素直に怖いと思ったの久しぶりですこわ!!!!!

 なんらかのデジャブ的な電気信号を示唆、という言葉でラップしたのは面白いなと思いました。

 でもこの文章怖い。ストレートに「あぁ、確かにこういう文章書くな」というラインをなぞりながら読みにくくないように整えてる腕が怖い。

 言い方を選ばなければすごく気持ち悪い。この気持ち悪さを意図的に表記できる腕に賞賛をおくりたい。


・ずっとぞわぞわしながら読んでいたのですが、最終的に不安が伝染したような気持ちになりました。


・概念化した蟻でしか思考できないみたいな入れ子構造なのかもしれない(そんな感想でいいんでしょうか)


・表現する術を持たないのは蟻?

 虫の知らせというやつが、一人称ゆえの不気味さで描かれている。

 文体の這い寄るような気持ち悪さがいいですね。


・スッとなめらかに頭がおかしくなっていく人の話だ~と思ったけど、仮にこの蟻からの示唆が妄想ではなく超常現象的なマジのやつだった場合、それでもやはり外から見たらこの語り手の行動は気が触れているように見えてしまうのだなあと思うと少し切なくなりました。


・虫の知らせとはまさに…落ち着いた語り口の中に沸々としたものがあるように感じました。不思議な読了感でとても魅力的でした!


・シンプルに狂人。特に破綻はしていない文章なのに内容がどうしようもなくズレていってるのが怖い。蟻に執着をしているのはなぜだろう。特に理由はなさそう。たまたま目についたからなのかなという気がする。この手の妄想系はマイナスの方向に振り切れる(集団ストーカーだとか)ものなんだけど、『示唆』自体はプラスの現象だと思っているのが面白い(だからアルミホイルを巻いても示唆は止まらないんやね)。後半は、尾行されていたり、命を狙われていたり、案の定そういった方面に進むよね……。という感じ。不穏な雰囲気がとてもよかったです。

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