第39話 おしゃれ

「平さん、平さん!見てくださいっ!」


ある朝。

同僚が職場に着くなり、私の席へ走ってきた。


「どした?」

「これっ!」


同僚の視線を追うと・・・・その先には、同僚が履いているパンプスが。


えっ?!


なんと。

同僚は、左右で色が違うパンプスを履いていた。


「さっき、会社のエレベーターの中で気付いたんです・・・・恥ずかし~」


そりゃ・・・・恥ずかしな、うん。

しかし、よくここまで気づかなかったな。


「でもほら、最近、左右で色違いのスニーカーとか、履いてる人多いし。【これ、おしゃれで履いてるんだけど、なにか?】って顔して歩いてればいいんじゃない?」


だってほら、ここまで気づかず、普通の顔して来たわけだし。


「えー、そうですかねぇ・・・・ああ、恥ずかしい・・・・」


その後、同僚はやはり恥ずかしさに耐え切れなかったらしく。

昼休みを利用して、別のパンプスを購入し、履き替えていた。


なんだろう。

私のまわり、天然が多すぎないか?

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