第25話 訛りの悲劇

親戚が、東北に住んでいる。

別の地方に住んでいる親戚の子が、夏休みの間中、東北の親戚の家に遊びに行っていた。


家に帰って、彼は母親に呼びかけた。


、あのね」

「なんだってっ?!」


母親は、目を吊り上げて、我が子を睨みつけた。


「誰が、だってっ?!」

「えっ・・・・ボク、そんなこと言ってない。って・・・・」

「言ってるじゃないさっ!」


身に覚えのない母の怒りに、彼は泣き出した。



東北訛りがうつってしまった悲劇。

「おかあさん」が「」になってしまっていたのだ。

母親には、「」に聞こえてしまったのだろう。


後日。

母親同士で話し、彼はようやく身の潔白を証明できたとさ。

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