第4話 書類のコピー作業

 それから受けたのはバイトというか業務委託の仕事、つまり雇用契約を結ぶわけではない完全出来高制のコピー作業だった。コピー1枚につき0.5円とかで月に得られる報酬はせいぜい2~3万円だという。とはいえ、会社は平日はもちろん土日もほぼ毎日空いており朝の8時ごろから19時あたりまでの間で自分の好きな時に出社していられる時間だけ作業できるという条件はニートをやっていた人間にとってかなり都合の良いものに感じたので応募することにした。こんな仕事ですら写真付き履歴書を用意して面接に行かなければならないというのは面倒ではあったが業務委託の作業なため最低時給すら稼げないものだったしこれなら自分でも受かるのではないかとひそかに期待していた。しかし結果はメールで不合格……同じような考えをした人間(おそらく主婦が多いと思われる)はほかにもいたようである……。まあ自分があまりに不審者過ぎてほかに応募がなかったにもかかわらず落としたという可能性もあるが、その後全く募集がかけられてないようなのでおそらくほかにもいたのだと思いたい。いやいなくても受からなかっただろうなどうせ……。

その後、ハローワークの求人情報を見ると履歴書不要で面接だけですぐ採用されるような仕事がいくつかあったのでそれらを応募してみたのだがすべて不採用……。結局この不景気と不況のご時世にバイトすらままならないという事態に陥ってしまった。

さらに追い打ちをかけるように約10年使い続けていた携帯電話がとうとうぶっ壊れてしまい使えなくなってしまった。これに関しては完全に自分のせいなので誰を恨むこともできないのだが、携帯が壊れたせいでネットで調べ物をしたりメールをしたりすることが出来なくなってしまった。さらに電話番号が使えなくなってしまったのでもう本当に誰とも連絡が取れなくなってしまう。

このままではまずいと、2つ目の携帯電話を契約したのだが、今度は自宅に電話を引くことができるようになるまで電話番号がないためしばらくは家に公衆電話から電話をしなければならなかったり(しかしネットの料金引き落としのための口座登録に携帯番号が必要なためそのためだけに自宅に電話を引いた)、メールアドレスも持っていなかったため新しく携帯用のアドレスを登録したりといろいろ手間がかかってしまった。

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