ep.9
家具の売っているところに着くと、二人で家具を見て回る。椅子や机だけでも沢山の種類があって、決めるには時間がかかりそうだ。
二人でだらだらと喋りながら必要な家具を決めていく。あれも、これも、と決めていると最終的には結構な数を買ってしまった。まぁ、お金的には全然問題が無い範囲だったので大丈夫だったが。
買った家具は後日、配送・組み立てをしてくれるサービスがあるとのことで、お願いした。ショッピングモールを出ると日は暮れかけていて、夕日が道路を照らしている。
「結構な数買ったなー」
俺がそういうと、桃華もそうですねー、と相槌をうつ。あまりにも自然すぎて、一週間前に出会ったとは思えないな、と考えていると
「宇津さん、夜ご飯はどうしましょうか?家で作ります?」
と桃華が聞いてくる。別に家で食べてもいいけど、今日は買い物もしたし大変かな、と考え今日はどこかで食べるかと言う。何か、食べたいものある? と聞くと
うーんと少し考えた後に、ファミリーレストランに行ってみたいです!と勢いよく答える。ファミレスなんかいつでも行けるぞ?と聞くと、どうやらそれでも行ってみたいらしい。
二人で夕暮れを歩きながら、近場のファミレスへと向かう。スキップ気味に歩いていく桃華の後ろをついていく。
「宇津さん!今日はありがとうございました!」
突然後ろを振り返り、笑顔でそうお礼を言ってくる。春風が桃華の髪を揺らし、深紫色の髪が夕日を反射している。今日買った、服を今着ているのも相まってか少し
ドキッとしてしまう。
「別に大丈夫だよ。それに、楽しかったしな」
「はい!初めての買い物だったけど、こんなに楽しいものなんですね」
確かに、桃華にとっては初めてかと思う。今度、またどこか行くか?と聞くと良いんですか!と嬉しそうにしている。次は何処に行きましょう、と今から決めようとし
ている桃華と話していると、ファミレスに着いた。
中に入ると、土曜日ということもあり、家族連れの客で少し混んでいる。空席はまだあったらしく、すぐに案内される。俺がステーキセットを頼むと桃華も同じのを頼むようで、それに追加でデザートを二つほど頼んでいる。
食べきれるのか?と聞くと、デザートは別腹なんですと胸を張っている。頼んだものが、運ばれてくると二人でいただきますを言って食べ始める。どうやら、俺は桃華に既に胃袋を掴まれていたようで、美味しいのだが何かが足りなくて、あまり満足できない。
桃華はステーキセットをすぐに平らげてしまい、その後出てきたスイーツも美味しいーと頬を緩ませながら食べきってしまった。家にいるときは分からなかったが、桃華は結構食べるらしい。
何気もない話をしながら桃華と一緒に帰路につく。空には雲一つなく、満点の星が夜空を彩っている。
「あ、そういえば、私再来週辺りに宇津さんの高校にはいるそうです」
突然、桃華からそんなことを言われ驚く。そんな事聞いてないんだけど、と言うとどうやら自分が学校に行っているときに親父から電話が来たらしく、今まで言うのを忘れていたらしい。
一緒に学校に通えますね!と嬉しそうにしている桃華を横目に、学校で起きるであろう問題に頭を抱えた。
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