砂漠渡りと長月
新吉
第1話 綱渡りと長月
「吊り橋効果?私は綱渡りでもドキドキしないわ」
「そうだったよ!まこっちゃんのバランス感覚なめてた」
「それで男女は恋に落ちるの?勘違いから?」
「そういうこともあるの!男女にはなにが起こるかわかんないんだからね!」
「怖い」
「なんでよー!これラブコメだから」
私はルカ、この手足の長い眼鏡美女は友達のマコト。実はマコトは月の人。異星人。まこっちゃん。私がやった下手くそな三つ編みと、ルームウェアでくつろいでいる。恒例のお泊まり会だ。少女マンガにツッコミながら、大げさに話して、笑って酒とつまみを食らう。
まこっちゃんはダンサーだ。舞台で綱渡りやバク転、華麗な技を次々決めていく。私はダンス好きで集まって好きなようにゆるく踊っているだけ。動画にちょこちょこあげるくらい。まこっちゃんとは休みの日だけ踊る。お互いの仕事があるからその回数はどんどん減ってて。まったりするのも、久しぶりなのだ。お泊まり会はいつもまこっちゃんと踊る。キレキレのまこっちゃんとゆるゆるの私のダンス。相性はあんまりよくない。だけどお互い自分の好きなようにめちゃくちゃに体を動かす。それが楽しい。楽しいってすごいことよ。まこっちゃんはよく言う。
月の人は本当は感覚が鈍いらしい。地球の調査のために五感も設定も与えられる。上司に言われるがまま。上司というか神様?地球語に翻訳できないらしい。それから約20年。月の人の感覚だとまだ1年ちょっとだけ。
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