第14話利根川河川敷の菜の花
⑭ 利根川河川敷の菜の花
平成8年5月4日
天気は曇り。
それでも薄日が差して来たので
昨日行損ねた利根川河川敷の菜の花を見に行こうと思う。
昨日と同じ時間の電車に乗る。
久喜駅では昨日のようにまごまごしなかったので一本早いのに乗れる。
にもかかわらず加須駅からのバスは14:42発で1時間ある。
仕方なく時間をつぶす。
バスは時間通りに来て予定の大越小学校前で降りる。
ちなみに帰りを確かめると18:08である。
ギョ!
3時間も時間をつぶす所があるだろうか。
一緒にバスを降りたのは中年の女性二人と子供連れの女性である。
土手は見えているのでそれを目標に歩く。
土手に平行して道がありそこにもバス停の標識があるので見て見ると
市内循環で1日に4本グルグルと回っているようだ。
ちなみに次の時間は15:48
駅まではいかないらしいが加須の市役所へ行く。
市役所なら駅までは遠くないだろうとふんだ私はこのバスに乗ろうと考えた。
空は曇って来た。
土手を登ると一面に菜の花が…と思いながら
勢い込んで登ったのに…あれ?菜の花はどこ?
あの黄色い花、黄色はどこ?
家族連れが凧あげを楽しんでいるのが見えるだけ。
あれ、もしかしたらアレがそうかしら…右手にそれらしき黄色いものが…
えっあんなものなの…まさかと思いながらその方へ近づいてゆく。
間違いなくこれらしい。菜の花は?
こんなものを見に私はわざわざ来たのだろうか。
確かに菜の花はあったがこじんまりとしたものだった。
菜の花畑を縫うように舗装された遊歩道がついて居るが
その中ほどまで足を運ばなければ密集した菜の花は見られない。
端の方はまばらなのである。
がっかりである。
来なければよかったと思いながら来なければ来ないで
気持ちが残ってしまうだろうし・・・
でも、これぐらいの規模なら近所の畑とさして変わらない。
ばかばかしくなってさっき確認したバスに乗る為早々に戻る。
菜の花畑で昼寝でもなんて考えていたのが見事に裏切られた。
それでも1枚はスケッチする。
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