小さな美少女と殺し屋の先輩との不器用な恋の物語

雪村 氷

第1話 変な先輩

私の名前は月島つきしまゆかり。

友達からはゆかりちゃんって呼ばれてる高校1年生

入学式が終わって今は9月、友達もできて一安心して私は学校生活をそれなりに楽しんでいた。


部活は手芸部に入った、理由はぬいぐるみが好きだからという単純な理由

そしてある日、一番仲の良い友達2人と話しながら廊下を歩いてると


ドッ


「きゃ!?」

「うおっと!」


私は誰かとぶつかっちゃったみたい・・・・・え?


「おい、大丈夫か?」

「え?あっ・・・はい・・・ごめんなさい」

「いや、こっちもよそ見をしてた、悪かった」


その人はとてもイケメンだった。


「は、はい・・・ごめんなさい」

「じゃあ、気をつけて」


そう言うとその人は、反対方向へ行っちゃった。


「やば!すっごいイケメンじゃん!」

「ゆかちゃん良かったね!」

「う、うん?」


確かに良かった・・・の?


「全くゆかちゃんは、本当に女子高生?」

「そうだけど?」

「普通だったら、さっきの人に恋が芽生えるでしょ?」

「え?そ、そうなの?」


普通の女子高生ってそう・・・なのかな?


「全くゆかちゃんは子供だなぁ、小っちゃいし」ナデナデ

「亜紀ちゃん、頭なでなで恥ずかしいからしないでって言ってるでしょ!」

「えぇーだっていい位置にあるし、可愛いだもん」


「あぁ確かにいい位置にあるよな、ゆかりの頭」


「うぅー」


私の仲の良い友達、雨宮亜紀あまみやあきちゃん

可愛いもの好きで、よく私の頭を撫でてくる、ちょっと・・

ほんのちょっとだよ?騒がしい女の子


「おいおいそんな顔すんなよ、可愛いが台無しだ」


そう言って頭を撫でてくるのは小太刀美紀こだちみきちゃん

女子サッカー部に入ってて、ちょっと男の子っぽい女の子


「ネクタイの色は青だから・・・・2年生ね

ちょっと調べてくる」


タタタタ!


「ちょっと亜紀ちゃん!」

「亜紀ってこういうの大好きだよね」

「もう、お昼休み終わっちゃうよ」


その放課後、亜紀ちゃんがあの男の人の情報を持ってきた。


「名前は宮島健、部活は帰宅部、勉強は平均で運動も平均

性格は波風立てずって感じ、でもあの顔だから女子に大人気だって」


「へぇ」

「ほう」


私と美紀ちゃんは興味なさそうに返事した。


「でも彼女はいないらしいの、不思議よねぇ」

「え?嘘!?」

「告白は何度かされてるけど全部断ってるって」

「うーんこれは難敵かもしれないよ?ゆかちゃん」

「なんで私に言うの?」

「そりゃ・・・・ねぇ」ニヤニヤ


「もう、亜紀ちゃん嫌い」プイ!

「あぁごめんごめん、ゆかちゃん」


ギュ!


私に抱き着いてくる亜紀ちゃん


「うぅー」

「やっぱり可愛いなぁゆかちゃん」

「はいはい、その愛おしいゆかちゃんが迷惑そうだからやめなさい」

「仕方ないわね、これで嫌われたら嫌だし」


亜紀さんは不満そうに私から離れた。


「ありがとう、美紀ちゃん」ニコッ

「ッ・・・・・いいのよ別に」

「?・・・美紀ちゃん顔赤いよ?大丈夫?」

「大丈夫よ、ほらさっさと帰りましょ、もう暗くなるし」

「あっそうだね」


今は9月、日が沈むのが早くなった気がする。

それから私たちは歩いて、2人と別れた私は古いアパートに歩いていく。


「あぁもう暗くなっちゃった・・・」


暗くなって人通りの少ない道を私はトコトコと歩いてると


「むぅ!?」ギュ!


いきなり口を塞がれて私の体は後ろに引っ張られた!


「おい!?上玉だ!」

「早く車に突っ込め!」


「むぅ!!!!」


これって・・・いや・・・いやぁぁぁぁ!!!


「早―――」ドカ!

「ッ!?てめ!なにぶほ!―――」


「けほけほ!」


え?いきなり体が自由に・・・


「あぁ・・・こちらメタル01、目標無力化、車を回してくれ」


男の人の声?

私は声のした方へ視線を向ける・・・


「あぁわりぃ問題発生だ」

「宮島・・・先輩?」


数時間前に見た男の人がそこにいた。

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