第9話 ママが本気なのは解るけど、ママの言ってることは本当なの?

 ママは僕とHする気マンマンであり。それは心からの本音である。ママには背徳感なんて全くない。とても呆気らかんとしている。ただ、禁断の道に引き摺り込むため、僕は丸め込まれてる様な気がしないではない。だいたい、前世なんか有って、本当に魔法なんて使えるのかよ?


「ヰサヲちゃん、私の話を疑ってるのね。顔に書いてあるわよ」

「ママよくわかるね。ちょっと信じられないな。ママが魔力と魅力持ってるのはわかるよ。僕にそんなもん無いんじゃない?」

「私たちの力はね、お日様みたいなものなのよ。晴れている時は当たり前だと思って誰も有難がらないわ。お日様が昇らなくなり

、大地が闇で覆われた時、始めて有難さに気が付くのよ。私たちが心穏やかなうちは、恵みの力が判り難いだけなよね。私たちの心が乱れた時、その力が判り易く現れるのよ」

「いつもママと一緒だから、僕には大きな悩みが無い。だから力が発揮されないんだね」

「去年、ヰサヲちゃん、悪い子たちに虐められてたわよね」

「あんな奴ら死んじまえと思ったら、団地が倒壊して本当に死んじゃったね」

「そうよ、それがあなたの真の力なのよ」

「えー、あれ団地の手抜き工事が原因でしょ?」

「手抜き工事は事実だと思うわ。でもね、あなたの呪いが倒壊を後押ししたのよ」

「でもさー、悪い女子がさー、僕のズボン脱がそうとするんだよ。なのに全然祟りも何も起きてないよ」

 ママの目付きが冷ややかになった。

「そんあことあったのね。本音では喜んでるんでしょっ。ママ知~らない」

「でも、そのに童貞奪われたら大変なんじゃないの?」

「そうね。今度ママがお仕置きしておくわ」

「でも、ママ、ひどいことしないよね?」

「なんで、ヰサヲちゃんが庇うのよ。きっと彼女はヰサヲちゃんの聖子せいしを狙う、悪い魔女とかね」

「ママも魔女じゃないの?」

「そうよ。人は私のことを時には魔女、時には女神と呼ぶわ。でもね、私のように善い魔女も、彼女たちのように悪い魔女もいるのよ」

「ふ~ん」

「ヰサヲちゃん、未だ私の話を疑っているのね?」

「ママのことは大好きで、信じているけど、その話はちょっとね」

「どうしたら、信じて貰えるかしら?」

「やっぱ論より証拠かな~?」

「そうね、やはり論より証拠よね」

「どんな証拠があるの?」


「そうだわ、好いこと閃いたわ!」

「ナニを閃いたの?」

「これから一緒にお散歩しましょ。町内一周デートよ」

「うん、それは好いね」

「それじゃ決まりね」

 僕はママに腕を掴まれた。そのまま秘密の部屋を出た。


 ママは僕の手を引き、全裸のまま階段を下りた。そのまま僕は玄関まで連れて来られた。

「ママ、外出るのにナニか着ないの?」

「つべこべ言わないで、ママに着いてきなさい」

「このままだと恥ずかしいし、外は寒いよ」

「あなた今まで風邪ひいたこと無いでしょ。寒くても風なんか引かないわよ」

「せめて靴ぐらい履こうよ。ガラス片とか落ちてたら……」

「あなた今まで血を流すような怪我したこと無いでしょ。全然大丈夫よ」

 ママと僕の二人は、全裸のまま玄関を出た。


 早速、人に出くわした。しかも婦警さんだ。僕はママのお尻の後ろに隠れた。全裸母子、公然わいせつ罪で逮捕か?

 しまった。こんな時、僕がママを護らなきゃいけないんだ!

 しかし、ママのお尻が目に入ると見とれてしまった。ママのお尻は何度見ても飽きないな。完熟した桃に釘付けにされてしまった。


 ママは全裸なのに堂々としている。ママが会釈すると、婦警さんも笑顔で会釈した。そして何事もなく通り過ぎてった。

「ヰサヲちゃん、今の婦警さん綺麗な人だったわね」

 ママは僕の王笏にジト目を落としていた。


 枯れ木が目立つ寒々とした光景だが、素っ裸なのに意外と寒くない。


 ママは近所の人と出会う度に、挨拶したり、世間話をした。誰も全裸に気付く素振りすら見せない。

 これが魔法の力なのか?

 凄いと言えば凄いけど、しょうしょう拍子抜けする。今少し実感が湧かない。

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