第8話 もしも僕が他の女の人に童貞を捧げたら?
「ところでさー、僕がママ以外の女の人を好きになったらどうなるの?」
「それは、あなたが苦しむだけよ。あなたは片想いのまま誰からも見向きもされないわ。私以外にヰサヲちゃんの魅力が判る女はいないからよ」
「うすうす判ってたけど、ちょっと傷つくんだよな」
「ごめんね、そういう風に産んじゃったから」
「美しさを分けてくれなかったんだね。もしもだよ、ママが僕に美しさ分けてくれたら、どうなってたの?」
「そしたらね、あなたは女の子よりも可愛らしい男の娘になっちゃうのよ。男らしさが全く無くなっちゃう。あんまり可愛いから女装させちゃうかもね。それで、あなたは自分の姿に見惚れて鏡の前から離れられなくなるのよ。そしたら、私のことなんか放ったらかしね。その上、男にお尻を差し出す子になっちゃうわね。そうなりたいの?」
「僕、それは嫌だな」
「そうでしょ」
「それじゃーさー、もしも僕が他の女の子とHしたらどうなるの?」
「聖杯・
「ママが悲しむから?」
「それもあるわね。先ずね、ママの体は童貞以外受け付けないのよ。童貞以外が入ってくると、気持ち悪くなって鳥肌が立つの。そしてね、無意識のアレルギー反応で男の人を死なせてしまうのよ。他の女で筆おろし済みのヰサヲちゃんが入って来たら、ヰサヲちゃんでも即死するわね。それに、一回で受胎できるとは限らないもんね」
やっぱり他の男とHしてるんだ。ちょっと嫉妬で胸がざわざわするよ。
「過去に、そういうこと有ったんだ?」
「そうよ。そしてね、もっと大事なことはね、ヰサヲちゃんの
「僕って、人間には悪い病気でも持ってるの?」
「そうじゃないわ。病気よりも遥かに危険よ」
「どういうふうに?」
「ヰサヲちゃんの種を宿した女の子からは、天使みたいな子供、悪魔の様な子供、ミュータントとか怪物が産まれてね、世の中すっちゃかめっちゃかで大変なことになるのよ。人類が困るだけなら好いけど、私たちにも手が負えなくなるわよ」
「へぇー、ママが困るなら絶対にしないよ」
「ヰサヲちゃんの
「僕もママに永遠に守って貰えたら幸せだよ。それでね、もしもママのお腹に戻れなくなると、どうなるの?」
「どうなるか、恐ろしくて考えたくもないわ。きっと、私の悲しみで、この世は暗く沈むことになるわね」
「そういう経験あったの?」
「ないわよ。あったら、あなたは今ここに居ないわ。この世もとっくに滅んでるわよ」
「浮気は罪なんだね」
「別に罪じゃないわよ。罪なんて人間にだけに架された迷信の軛よ。私たちや動物には関係ないもの」
「でも、僕が浮気したら滅んじゃうんでしょ?」
「私たちは自然の循環と秩序の守護者なの。それが乱れて、人類が滅ぶだけよ。別に私たちが罪に問われる訳じゃないわ」
「じゃ、ママと僕は自然の循環と秩序を護るためにHしなきゃいけないんだね」
「ママの言い方が悪かったわね。守護者じゃなくて、自然の循環と秩序そのものなのよ。別に人間の都合に合わせる必要なんかないのよ。あなたと私が心のままに欲しいままに振る舞えば好いだけよ。いまじゃ、人間なんて自然の循環と秩序を乱すだけの存在ね」
「自然の循環と秩序を護るために、人類亡ぼしちゃうの?」
「私は産む者だから、産まれて来た生きとし生ける者たちを亡ぼすのは気が進まないわね。でも、あなたが望むら滅ぼしちゃっていいのよ。滅ぼそうと思ったって、人類はしぶといわ。少しは生き残って必ず復興しちゃうけど」
「そうか~ママが殺生を嫌ってお肉やお魚を食べない原因はそれだったんだね」
「そうよ。それにねお肉やお魚食べると体臭が臭くなるのよ。でも、光を浴びて育つ香りのよい果物を沢山食べると、体臭が臭くならないのよ」
「ママが甘い匂いする原因もそれなんだね」
「ヰサヲちゃんには、私の匂いが甘く感じるのね」
「うん。この部屋中が甘い匂いに包まれてるよ」
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