夢のような時間の中で
僕の日常
僕は中谷雅人(なかたにまさと)としておこう。森の奥にある家に住んでいる。因みにこの家には母親・父親が住んでいない。孤児と言うわけではない。僕の微かな意識の中で聞いた父親と医者の話だと僕は今隔離されているらしい。未知の病気なんだとか。感染リスクを減らすためだそうだ。医者は感染しないように防護服?のようなものを着て月に2回来るし、僕は毎日のように点滴をしながら病院着のようなものを身に纏っている。でも別にこれといって不満があるわけではない。食べる物は仕送りをしてくれるし、家は僕が重体になった時用のために色々仕込まれている。だから安心した場所に暮らせているわけだけど。体は自由に動かせるから。窓から見る外の世界に憧れているから。1週間に一回はこっそりと家から抜け出して近くの草花が生い茂ったところに行って花を摘んで窓の近くにある花瓶に水を入れて飾るようにしていた。僕の趣味は毎日この花瓶に入っている花に水をあげること、観察することだった。
こんな日常を5年間送っている。このままでいいのだ。そう自分に言い聞かせていた。
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