第138話束の間の休息と今後の方針

 そして、誰も居なくなった。


「お姉ちゃん司法森羅のクランホームを見つめてどうしたの?」

「いや、何でもない。戻ろっか。結構疲れた」

「賛成」


 我々のクランホームへと戻り、外のベンチや机がある場所に向かい、ベンチに座る。


「結構ポイントを稼げたね」

「だね。途中までは司法森羅のプレイヤーはやられても復活して来ていたけど、サトシさんが負けてから来てませんからね」

「何処かで戦っている可能性はあるだろうけどね」


 ポイントも沢山手に入ったし、ランキングも上位の方に成っているかもしれない。

 もうすぐで3日目に成る。大会参加者は3日目にランキングが見える。


「もうすぐでリアルで2時間計画した事に成るのか〜不思議な感覚」

「そうですね」


 ここでの一日はリアルでは一時間だ。


「ランキングの状況では休みながら進みたいですね」

「セカイ姉さん凄かったよ」

「フフ、ありがとうございます」


 オレンちゃんがセカイちゃんの事を素直に褒めていた。

 何でも30本くらいの槍が同時に攻めて来ても受け流せていたらしい。

 見たかったな。その間、私はサトシさんと会話をしていたと思う。


『自分は闇狼シュバルツで沢山倒せた事が良かったな。ちゃんと、あれで人は倒せる事を知ったよ』


 訓練ではレイシアさんに簡単にあしらわれて居たしね。

 サエちゃんの横に闇を形成して話しているサナさんは本当に嬉しそうだ。


「シュラは当分動かせません。耐久値が再生するまでここで休ませます」

「うん。分かった」


 シュラは途中からMPが無くなったグリムちゃんのサポートをしていたらしい。

 その際に広範囲魔法が何回か飛んで来て、グリムちゃんを守って居たようだ。

 シュラの性格はメルちゃんに似ているのかもしれない。


『面目無イ』

「そんな事無いよ。シュラは私達の為に頑張ったんだから。誇りを持って」

『主様』


 剣の状態でも話せるんだ。

 初めての発見。


「お、そろそろ零時になるね」


 ステータス画面を開いて、ステータス画面の上の方にある、何時もは無い欄を選択する。

 ロードが入り、トップ10のランキングが表示される。


「えっと、ヴァルハラは4位、司法森羅は1位か」

「ほんとだ! 私達に気を取られてそこまでポイント集めて居ないと思ったけど、そんな事全く無かったなぁ」

「だね。意外」

「あ、私達もある。ユグドラシル、10位か。ギリギリだね」

「うん。でも、次のクランと近いから頑張れば抜かせますね」

「ランキングに載っているの大抵有名な大規模クランと中規模クランだな」

「だね」

「そうですね」


 サエちゃんの呟きにグリムちゃんとメルちゃんが反応する。

 ······もしかして、ヴァルハラと司法森羅以外知らない私が間違っている?

 と、言うか調べたらクランの名前って出てくるの?

 有名って?


「あ、お姉ちゃんの頭に大量のハテナマークが」


 取り敢えず、数時間皆でゴロゴロして休む事にして、ユグドラシル事動かしながら見つけたクランを皆で潰して回る事に決めた。

 下からだとここは見えないので唐突に上から攻めて来る感じに相手から見えるのかもしれない。


「な、なんだこれ!」

「壁か? でも、マップではまだ行ける筈なんだけど。マップの端っこって訳じゃ無いだろうし?」

「一体何が起こっているんだぁ!」

「ごめんちょっとうるさい」


 下の方から人の声が聞こえて来た。

 召喚獣か使役獣か分からないけど、飛んで来てここにぶつかったらしい。


「どうしよっか?」

「ギャラー!」

「マナちゃんが行きたいの? うん。分かった。ハクちゃん。クロちゃん。ネマちゃん。マナちゃんのサポートよろしくね」

「「コン!」」「にゃぁ」


 マナちゃんが声のした方向に進み下に降りて行く。


「お、なんだあれ?」

「綺麗だあ!」

「うるさい! 絶対に敵だろ! 構えろ」

「うわ。綺麗だ」


 深夜なので綺麗で目立つ虹色の柱が立った。


「3人居たんだ」


 3ポイント、ゲットだぜ。


 マナちゃんが戻って来た。

 嘴に何かを加えて居たが、数秒後には消滅していた。

 一体なんだったのだろうか?


「でも、きちんと当たり判定はあるんだね」

「透明に成っているだけだらかね。バレないように見つかったらすぐ倒す方が良いかもね」

「5次進化まで行った飛行生物の限界高度より高く飛べたら良いんだけどね」


 ユグドラシルのクランホームは通常ならマナちゃんの限界高度以上まで高度を上げれる。

 だけど、このイベント用マップではマナちゃんの限界高度を越える事は出来なかった。

 雲の少し下辺りなので、多分5次進化の飛行生物の高度限界だ。


「ま、そしたら本当に無敵だもんね」

「5次進化も結果的に少ない」


 さて、話もある程度済んだし休みますか。


 数秒後、我々ユグドラシルクランは味方同士での争いが起こった。

 戦闘では白黒付けれないので、ある程度競技を決めた。

 私とセカイちゃんとサエちゃんはジャンケン。

 オレンちゃんとムニンちゃんはマラソン。

 メルちゃんとグリムちゃんは争いなく平和的に残ったのにするらしい。


「「「じゃーんけーんぽん!」」」


 私、グー。セカイちゃん、パー。サエちゃんと同じ。

 私、敗北。


 マラソン、現在満月がまだギリギリ残っていると言う事で、ムニンちゃんがかなりの差を付けて勝利。


 セカイちゃんとサエちゃんはハクちゃん。ムニンちゃんとグリムちゃんとメルちゃんはクロちゃん。

 私のオレンちゃんはハムちゃんにくるまって眠る事になった。


「2人で寝るのって久しぶりだね〜」

「ハム居るし2人じゃないと思うけど、と、言うか私の記憶ではお姉ちゃんと寝る時ってムニンも一緒だった」

「あ、そうだね」

「うん。あと、小学3年が最後だった」


 良く覚えていらっしゃる。


「はわぁおやすみ」


『おやすみ(なさい)』


 敬語のセカイちゃんとメルちゃん。


 ◇


「おっかしいな。モフリの姿が一切無くなった。3日目の昼、私が森を探索するか」


「アル、1プレイヤーに固執する事は賛成出来んぞ」


「分かってるよリク。私の私情だけでリク夫妻以外のクランメンバーを巻き込む訳には行かないよね」


「「おいおい待ちなさい何故そこで俺(私)は含まない?」」


「お、良いハモリ。まぁリア友だしね」


「「理由に成ってない!」」


「それより打ち上げは他の人も呼ぶんでしょ?」


「「話をすり替えるな! そうだよ! 皆で打ち上げは俺(私)達の基本だろ(でしょ)?」」


「うん。仲良いのは分かったけど、ハモるの止めてくれない? そんな長文でハモると普通に気味悪いから」


「「酷い良いようだな(ね)そもそもハモリたくてハモっている訳じゃないからな(ね)」」


「⋯⋯わざとだよね?」


「「お、良く分かったな(ね)」」


「⋯⋯」

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