第78話黒巫女召喚士と暴食之悪魔 ⑦
わたしはベルゼブブと一緒に地面に着地する。
ネマも地面に降りる。
そしてわたしは地を蹴りベルゼブブに接近して鎌を横薙ぎに払う。
ベルゼブブは跳躍して鎌を躱して右手を前に突き出す、魔法を使うのだろう。
『喰らえ、【ダークサンダー】』
黒い稲妻がわたしに向かって降り注ぐ。
わたしは霊符の【風壁】を使って威力の確認と共に稲妻を躱して行く。
わたしの後ろをネマが通って躱す。
風の壁は一瞬で霧散した。
地面に着地したベルゼブブにすぐさま接近して鎌を振り下ろす、ベルゼブブは体を横に動かして躱したが、わたしは鎌から手を離して回し蹴りをベルゼブブに放つ。
だが、少ないSTRでは大したダメージは無い。やはり武器が無いと意味が無い。
わたしは鎌を拾って【風足】を使ってベルゼブブから距離を取り再び接近する。
『【ダークフレア】』
ベルゼブブの右手から放たれた黒紫の炎を跳躍して躱して【風弾】ノックバックを利用して高く跳んでやり過ごし落下に合わせて鎌を振り下ろしてベルゼブブに攻撃、ベルゼブブはバックステップで躱すがわたしは鎌の刃を上に向けて振り上げる。
燕返しの鎌バージョンだ。注意事項は刀と違い鎌なので地面に先端がぶつからないようにする事だ。
『ぐぬ』
弱点に攻撃が当たり切り傷が弱点に現れる。
そしてわたしは蹴りを放ちベルゼブブを足場にしてバク転をして少し距離を取る。
『なかなかに動くようだな。雑魚から鼠に進化したか?』
「言ってろ」
わたしは再び接近する。ベルゼブブが放つ回し蹴りを走りながらしゃがみ躱す。
ベルゼブブがわたしの上で足を止めて踵落としを放つ。
すぐに反応して横に動いて躱し、体制をすぐに直してわたしはベルゼブブに再び接近して鎌を振るう。
そして下がる。格上相手にはヒットアンドアウェイだ。
そして再び接近するが、ベルゼブブが魔法を放つ。
『焼き払え【ダークコロナ】』
コロナ、太陽大気の最外層だっけか?
確かかなりの高熱の⋯⋯ま、ゲームだしあそこまでの温度はねぇだろうが魔法は危険だ。
【風足】を使って大きく横に動いて躱す。
そして魔法が無くなったところでベルゼブブに再び接近して鎌を振り下ろす、途中で鎌から手を離して妖術を使う。
「風槍、展開」
『しまっ!』
ここまで接近して居るから食べる事は不可能だろう。
そして弱点に【風槍】を直撃させる。それでも2割まで減らせるようなダメージは無いようだ。
そして鎌を拾い再び鎌を振るう。
「ニャ!」
ネマが弱点に向かって攻撃するのと鎌を振り下ろすタイミングが全く同じだった。
そして味方の攻撃は反動で跳ね返り、そして相手は多少のノックバックがある。
ネマの爪とわたしの鎌が攻撃し合い、ネマとわたしは反動とノックバックで互いの方向に飛ぶ。
互いにバク転して着地。
『仲間割れか?』
違う、もしも私ならあのタイミングのネマの攻撃はきちんと当たっていた。
わたしは私よりも速いのでネマのタイミングがズレているように感じるがわたしが速いせいだ。
同じ戦闘スタイルで狙いが同じだからこそ起こる問題点がここに来て起こった。
「ネマ、下がってろ。わたしの方が速い」
「ニャー!ニャー!」
「悪いな、急ぎたいんだ」
「にゃ〜」
ネマはとぼとぼと後ろに下がる。
あぁ、なんか近接戦闘してからずっとマナの援護や攻撃が無いのはわたしの戦い方がずっと攻めだったからタイミングが掴めないのか。
マナはバフ系の魔法は無いからな。
『ふん、1人なら、大した事は無いな』
「攻撃を当ててからほざけや!」
わたしはネマを嫌っている訳でも仲間外れにしているつもりは無い。ただ、今回は相性が悪いだけだ。
ベルゼブブに接近して鎌を振るう、ベルゼブブは蹴りを放つ、ベルゼブブは鎌を体を横にズラして躱して、蹴りは跳躍して躱す。
空中で体を捻り回し蹴りを放ち、手の甲で受け止められたので鎌を振るい後ろに少し下がる。
そして空いている左手をベルゼブブに当てて妖術を使う。
「霊符、風槍、解」
『ぐぬ!【ダークアース】』
黒紫の煙のような冷気がベルゼブブを中心に広がる。
わたしはバックステップで距離を取り様子を伺う。
【ダークアース】が終わるのを待ってから再び接近して鎌を横薙ぎに払い、地面に向かって鎌を突き立てるように振るった。
地面に少し刺さった所で鎌を杖の代わりにしてわたしは回し蹴りを弱点に放つ。
『【ダークナイツ】』
「レパートリーが少ないんだよ!」
飛んで来る刃をベルゼブブから距離を取りながら躱し、再び接近してしながら躱して行く。
そして射程内に入ってから鎌を上から振り上げて弱点の紫色の宝玉に縦の一閃の跡を残し身体を鎌の勢いに任せて左手がベルゼブブの方に向かって動くので妖術を使う。
「展開」
【風槍】を構築して展開して攻撃して行く。
ベルゼブブは両手を組んで振り下げて攻撃して来るが跳躍して躱す。
ベルゼブブの振り下ろした手に合わせて地面に亀裂が入りでこぼこになる。
なかなかの威力だが、当たらなければなんの問題も無い。
空中で体を捻り鎌を振り上げるような形で落下、ベルゼブブの前に来た瞬間に鎌を振り上げる。
「風断流大鎌術、風上り」
補正も使いダメージを加速させる。
そしてバックステップで距離を取る。
『同じような行動を!』
「同じだろ?」
ベルゼブブに接近して鎌を振り下ろし、ベルゼブブは拳を放つ。
互いにぶつかり合い火花を一瞬散らしてわたしは吹き飛ばさられる。
だが、すぐさま【呪縛】を使ってベルゼブブに固定して貰い飛ばされるのを防いだ。
今ので少しダメージを受けたようだ。
マナに回復して貰う必要も無いだろう。
◇
ネマは自分の出番を否定された事を嘆いて居た。
マナは飛びながら自分の行動を考える。現在のモフリの攻撃の流れがバラバラで攻撃のタイミングが掴めないで居た。本来はこの方が良いのだが、マナ達はモフリの一定の流れの攻撃に慣れてしまったのだ。
イサはネマを慰めつつ現在のモフリの危なっかしさを警戒しつつ戦闘を眺めている。
ハクはどうして現在のモフリが居るのか不思議な気持ちと、それでもこうなってしまうのは嬉しくないと思う気持ちと、モフリに危害が無いのか心配な気持ちがごちゃ混ぜになっていた。
ベルゼブブのHPはまだ8割以上残っている。
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