超ゲーム初心者の黒巫女召喚士〜動物嫌われ体質、VRにモフを求める〜

第64話黒巫女召喚士と死霊の帝王 伍

　相手の縦に振り下ろされた鎌を横にズレて回避、回し蹴りを放つが軽くしゃがまれて躱された。

　相手が小さくなった分、躱す行動を取るようになり、そのスピードも速くて私の攻撃はなかなか当たらない。

　更に言えば私も相手の攻撃を防いだり躱せるのはギリギリだ。

『【超加速】【ハイクイック】【瞬足】【アクセル】【超跳躍】【ハイジャンプ】』

　相手は少しブレ、その次には私は回し蹴りを食らってた。

　壁際まで吹き飛ばされてHPは残り3割になった。

　諸に入らなかったのは幸いだっただろう。

　私は相手に向かって【風足】も使って加速して接近するが相手は正に神速の動きで右の壁、次に後、左、前、天井、床、右、左、後、高速で縦横無尽に動き回る相手は一瞬視界に入ってもすぐに死角に入る。

「速い」

　私は自分の目で見るのを諦めた。

　目を閉じて【共有】を使って上から動きを確認する。

　右の壁、左の壁、天井、後ろの壁、右の壁、前の壁、後ろの壁その際に私と直線状に居る。

　相手はブレる。私は後に鎌を振り下ろす。

　相手の動きが止まりバックステップで距離を取った。

　盛りに持ったスキルの効果時間を切れたようだが、再使用は可能だろう。

　私は駆け出して鎌の後に【風玉】の霊符を貼り付け相手に接近して下から上へと鎌を振り上げる。

「解、風断流大鎌術、風上り」

【風玉】で起きた上昇気流の加速を利用した技を相手に放つ、だが私の攻撃速度では遅くて普通に躱された。

　だが、これは予想済みだ。

　相手の背後からハクちゃんの攻撃バフを貰ったネマちゃんが接近して爪で攻撃をする。

　パッと見で分かるくらいには削れてくれた。

　速度や機動力は上昇しているが攻撃力や防御力は減少しているように感じた。

　私は形代をインベントリから取り出して【竜巻】を使用する。

　更に【風走】を使って竜巻に流されて天井に足を付ける。

　相手に向かって私は【風足】も利用して落下の加速を強くして私は相手に向かって落ちた。

　回転も利用して遠心力を乗せた鎌を振り下ろす。

　相手は無駄の無い小さな動きで躱した。

　私は振り下ろした鎌の刃が地面に弾かれて体が仰け反る。

　その隙に相手は私に鎌を2つ振り下ろして来るので、私は自分の体に【風弾】を貼り付けて解放して無理矢理飛ばして躱す。

　地面を数回転がってすぐに立ち上がりバックステップをする。先程私のいた場所には2つの鎌が地面に刺さっている。

　体の攻撃力は下がっているようだが、鎌での攻撃は即死クラスだろう。

　なぜなら私の攻撃は地面に弾かれたのだが、相手の攻撃は地面に刺さっているのだ。

　つまりは地面の耐久値は私の攻撃は全然平気だが、相手の攻撃には耐えれないのだ。

　私の自分の回復出来る力はポーションのみ⋯⋯そのポーションを使える隙間が存在しない。

　残りMPは3、【竜巻】を使えるまで回復する時間は既に無いかもしれない。

『許さない、超越者の奴らは全員許さない。関係者も、だからお前も許さない！』

「そんなのただの八つ当たりでしょうに！」

　一体師匠達は何をしたのよ！

　もしかしたら師匠達とは関係の無い超越者達のせいかもしれない。

　それでも何たるとばっちりだ。

　相手は天井に跳躍して足を着けて、足に力を込めて私に向かって跳躍落下をして来る。

　更に高速で見えないレベルの回転を使って遠心力を乗せている。

　いや、そんなに回転する必要ないでしょうに。

　私は【風足】を使って後ろの壁に跳躍、接近して壁に足を付けて残っている【風足】を使って壁に沿って跳躍する。

　相手は地面に鎌を突き刺し、速攻で外して私の居る壁に一瞬で接近する。そして跳躍して鎌をクロスして私に攻撃、私は斜めに鎌を一閃させてギリギリ防ぐ。

　回転して体制を直して地面に着地、相手は着地と同時に私に接近して鎌を横にして回転攻撃を仕掛けてくる。

　軌道の先に鎌を振り下ろして止めるが、威力が高いので私は鎌ごと吹き飛ばされた。

【風玉】を使ってダメージをゼロに抑えて目の前に接近して来た相手に振り下ろされた鎌を自分の鎌を横にして防ぎ、その間に徐々に接近して来ていたネマちゃん、イサちゃん、ハクちゃんが攻撃を仕掛ける。

「あと、ひと押し！」

　残り相手のHPはミリだ！正確には2センチ程なのでミリはおかしいが攻撃を与えたら倒せる程度なのでミリで良い！

『許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない！【バーサーク】【死霊の帝王】【能力解放】【能力覚醒全開】【ヘルパワー】【コキュートス】！』

　様々なオーラを相手は纏い、HPは見えないレベルに少なくなっている。完全にミリとなった。

　鎌は数倍の大きさとなっておりかなりの威力を持ち、相手の地面は徐々に凍り付いている。

『じねえええええ！』

　振り下ろされる鎌の軌道に合わせて斬撃のような物が飛んで来る。

　飛んだあとは凍り付いている。

　相手は全力なのだろう。あの速度は私のAGIでは躱せない。

　だけど、霊符ならすぐに使える。

【妖火】【風弾】【風刀】【風槍】【風壁】【風玉】の残り全ての霊符を解き放ち一気に解放する。

「全解」

　正真正銘私の全力だ。

　ぶつかり合う火や風と氷の斬撃、火花を散らし辺りを凍らせて行く。

　結果、ギリギリ相殺に持ち込めた。

『【コキュートス】』

「はぁ？！」

　もう1回使えるの！

　ダメ、もう無理。

「カー！」

　マナちゃんが降下して嘴（くちばし）で突く。結果、倒した。

「良かった、ミリで」

《死霊の帝王の討伐を確認しました》

　そのメッセージを見て私は安堵して腰を下ろして深く息を吐く。

　これで、終わったと。私は思った。

『終わらない、我の、我々は終わらない！【デスバースト】』

　黒い空気がマナちゃんに取り込まれ、マナちゃんに黒色の模様が現れる。黒色毛並みのマナちゃんなのにその模様はくっきりと見える。

「カーー！」

「ま、マナちゃん！」

《攻略成功報酬が渡されます》

　そんなメッセージウィンドウなんて見る暇なんて無く、マナちゃんに近づいて抱き上げる。

　何が、どうなって？

　そ、そうだ。ステータスを見れば！

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　鳥Lv16（呪）

【呪】死の宣告:毎分HP1減少する。応召不可、HP回復不可、HP0になると二度と復活及び召喚が出来なくなる。ログイン中にしか進まない

　名前:マナ

　HP:18/19(+16)

　MP:39/39(+32)

　STR:22(+16)

　DEX:‭19(+16)‬

　VIT:‭18(+16)‬

　AGI:‭39(+32)‬

　INT:19(+16)

　MND:19(+16)

　スキル:【共有】【空縮】

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「う、そでしょ」